毎日のおつとめ

浄土宗日常勤行式と三万遍数珠

おつとめは「日常勤行式(にちじょうごんぎょうしき)」とも呼ばれ、浄土宗で日頃からお唱えするお経の次第です。 ここでは「日常勤行式」を和訳、現代語訳とともに流れに沿って解説します。

  • 1. 香偈 (こうげ)

    お香は「仏さまの使い」とも言われます。 道場だけでなく身体と心を清らかにし、仏さまをご供養いたしましょう。

    [和訳]

    願わくは我が身浄きこと香炉の如く
    願わくは我が心智慧の火の如く
    念念に戒定の香を焚きまつりて
    十方三世の仏に供養したてまつる

    [現代語訳]

    願わくは私の身が香炉のようにきよくなりますように
    願わくは私の心が智慧の火のようにきよらかになりますように
    念念に戒定の香をたいて
    過去・現在・未来のありとあらゆる仏さまに供養いたします

  • 2. 三宝礼 (さんぼうらい)

    仏・法(仏さまの教え)・僧(その教えを信じる人々)の三宝を礼拝し、まごころをささげましょう。

    [和訳]

    一心に敬って十方法界常住の仏を礼したてまつる
    一心に敬って十方法界常住の法を礼したてまつる
    一心に敬って十方法界常住の僧を礼したてまつる

    [現代語訳]

    いつ どこにでもまします仏さまを心から敬い礼拝します
    み教えによって示された不変の真理を心から敬い礼拝します
    仏さまとみ教えを信じ仏道に励む人々を心から敬い礼拝します

  • 3-1. 四奉請 (しぶじょう)

    阿弥陀さま・お釈迦さま・もろもろの菩薩さまのお慈悲をあおぎ、この道場においでくださいとお願いします。 *この四奉請か次の三奉請のいずれかを唱えます。

    [和訳]

    請じ奉る十方如来 道場に入りたまえ(散華楽)
    請じ奉る釈迦如来 道場に入りたまえ(散華楽)
    請じ奉る弥陀如来 道場に入りたまえ(散華楽)
    請じ奉る観音勢至諸大菩薩 道場に入りたまえ(散華楽)

    [現代語訳]

    ありとあらゆる仏さまにお願いいたします
    どうぞこの修行の場においでください 花を散じてお迎えいたします

    お釈迦さまにお願いいたします
    どうぞこの修行の場においでください 花を散じてお迎えいたします

    阿弥陀さまにお願いいたします
    どうぞこの修行の場においでください 花を散じてお迎えいたします

    観音・勢至の両菩薩さまをはじめとしてもろもろの菩薩さま方にお願いいたします
    どうぞこの修行の場においでください 花を散じてお迎えいたします

  • 3-2. 三奉請 (さんぶじょう)

    大意は四奉請と同じです。

    [和訳]

    請じ奉る弥陀世尊 道場に入りたまえ
    請じ奉る釈迦如来 道場に入りたまえ
    請じ奉る十方如来 道場に入りたまえ

    [現代語訳]

    阿弥陀さまにお願いいたします どうぞこの修行の場においでください
    お釈迦さまにお願いいたします どうぞこの修行の場においでください
    ありとあらゆる仏さまにお願いいたします どうぞこの修行の場においでください

  • 4. 懺悔偈 (さんげげ)

    はるかな過去より現在まで重ねてきた罪を、仏さまのみ前で悔い改めます。

    [和訳]

    我れ昔より造る所の諸の悪業は
    皆無始の貪瞋痴に由る
    身語意より生ずる所なり
    一切我れ今皆懺悔したてまつる

    [現代語訳]

    私は昔から数え知れない罪をおかしてきましたが
    それは限りなく遠い過去からの むさぼり・いかり・おろかさによるものであります
    それらは私の身体・言葉・意識によって生じたものであります
    今 その一切を反省し 懺悔いたします

  • 5. 十念 (じゅうねん)

    「我が名をとなえる者は誰でも極楽浄土に救いとる」と誓われた阿弥陀さまを信じ、心から「南無阿弥陀仏」と十遍繰り返します。 九遍目のみ「なむあみだぶつ」とおとなえしましょう。
  • 6. 開経偈 (かいきょうげ)

    仏さまの教えを聞ける機会を得たことを喜び、 その尊い法を身につけられるよう、仏さまにお願いします。

    [和訳]

    無上甚深微妙の法は
    百千万劫にも遭い遇うこと難し
    我れ今見聞し受持することを得たり
    願わくは如来の真実義を解したてまつらん

    [現代語訳]

    この上もなく深くすぐれた仏さまのみ教えには
    永遠の時を経てもありえないほど 出会うことは難しいことです
    私は今 そのみ教えを受けさせていただくことができました
    その真の意味を理解し身につけたいと心から願うものです

  • 7. 仏説無量寿経 四誓偈 (ぶっせつむりょうじゅきょう しせいげ)

    『無量寿経』の一部。仏となってすべての者を救おうと、世自在王如来のみ前で四十八の誓い(四十八願)をたてた法蔵菩薩が、あらためてその決意を述べ、さらに世自在王如来の功徳を讃えて自らもそうありたいとの意志を表明しています。

    [和訳]

    我れ無量劫に於いて大施主となって 普く諸の貧苦を済わずんば誓って正覚を成ぜじ

    我れ仏道を成ずるに至らば名声十方に超え 究竟して聞こゆる所なくんば誓って正覚を成ぜじ

    離欲と深正念と浄慧との修梵行をもって 無上道を志求して諸の天人師とならん

    神力大光を演べ普く無際の土を照らし 三垢の冥を消除して広く衆の厄難を済い

    彼の智慧の眼を開いて此の昏盲の闇を滅し 諸の悪道を閉塞して善趣の門に通達せしむ

    功祚満足することを成じて威曜十方に朗らかなり 日月重暉を戢め天光も隠れて現ぜず

    衆の為に法蔵を開いて広く功徳の宝を施し 常に大衆の中に於いて説法師子吼したもう

    一切の仏を供養し衆の徳本を具足し 願慧悉く成満して三界の雄となることを得たまえり

    仏の無礙智の如きは通達して照らしたまわずということなし 願わくは我が功慧の力此の最勝尊に等しからん

    斯の願若し剋果せば大千応に感動すべし 虚空の諸の天人当に珍妙の華を雨らすべし

    [現代語訳]

    私(法蔵菩薩のこと)はこれまでこの世にはなかったような すぐれた誓願を建てた必ずやこの上ない覚りの境地へと到達したい これらの誓願がすべて満たされない限りは 完全なる覚りの境地には決して入るまい

    私はたとえ無量劫を経ようとも 恵みを施す大いなる主となり 貧困にもがき苦しむあらゆる人々を すべてみな救わない限りは 完全なる覚りの境地には決して入るまい

    私が覚りの境地へ到達した時 仏としての我が名があらゆる世界を超えて響きわたり その響きがその果てに聞こえなくなるようなことがある限りは 完全なる覚りの境地には決して入るまい

    欲望から離れ深遠な正しい思念を保ち 清らかな智慧を具え尊い梵行を修め この上ない覚りの境地を得ようと志して あらゆる天人や人々を導く師に私はなりたい

    世自在王仏よ あなた様のように仏たる者は 人知を超えた強大な力を用いて大いなる光を放ち 無限の彼方の世界までことごとく照らし出して 貪り・瞋り・愚かさという三種の煩悩の闇を取り除き あらゆる世界のいかなる苦難に喘ぐ人にも救いの手を差し伸べる

    迷い深き者に智慧の眼を開かせたり 視界を遮る暗黒の煩悩を除いたりする 地獄・餓鬼・畜生の三悪道に堕ちていく道を閉ざして 善行によって赴く人々や天人の世界へ通じる門をくぐらせる

    仏として具えるべき功徳をすべて具え その身体から発せられる光はあらゆる世界で輝き 太陽の光も月の光もその輝きに飲み込まれ 神々の光も打ち消されて輝きを失うほどである

    人々のために仏法の蔵を開け放ち 仏の功徳という宝玉を分け隔てなく施し 常に人々の中にあって 獅子が吼えるように雄壮に法を説く

    あらゆる世界の仏を供養し 様々な行を修めて功徳を積み 誓願も智慧もことごとく完成させ 迷いの世界の人々を導く師となる

    仏が具えている智慧の光というものは 何ものにも妨げられず あらゆる世界に行きわたり 照らし残すということはない 願わくは私が仏となるからには 功徳と智慧のはたらきは このような最もすぐれた尊者(最勝尊)と等しくありたい

    こうした誓願が成就するならば あらゆる世界が揺れ動くように 空に舞う諸々の天人が妙なる花を雨降らすように



    *現代語訳は浄土宗総合研究所編『現代語訳浄土三部経』(浄土宗発行)より。

  • 8. 本誓偈 (ほんぜいげ)

    ここまで唱えたお経の功徳を、極楽往生のためにふりむけます。

    [和訳]

    弥陀の本誓願は、極楽の要門なり 定散等しく回向して 速やかに無生身を証せん

    [現代語訳]

    阿弥陀仏さまの本願は 人々が阿弥陀さまに救われて 極楽浄土に往生するための肝要な門であります すべての善根功徳をふりむけて すみやかに生と死を超えた身となろう

  • 9. 十念 (じゅうねん)

    「我が名をとなえる者は誰でも極楽浄土に救いとる」と誓われた阿弥陀さまを信じ、心から「南無阿弥陀仏」と十遍繰り返します。 九遍目のみ「なむあみだぶつ」とおとなえしましょう。
  • 10. 一枚起請文 (いちまいきしょうもん)

    宗祖法然上人が師と仰いだ中国・唐時代の高僧、善導大師の著書『往生礼讃偈』に収められているもので、最期臨終の際には仏や菩薩方のお迎えをいただいて身心やすらかな中に極楽浄土へ往生できるようにと願い、往生を遂げたなら、苦しみ惑う人々を救い導こうとの誓いを述べる文です。

    [和訳]

    ※和訳はありません

    [現代語訳]

    私が説く念仏は 中国や日本の多くの学者たちがお説きになっている 心をこらして仏さまのお姿を見奉ろうとする観念の念仏ではありません
    また学問をして 念仏の意味を理解してとなえる念仏でもありません

    ただ極楽浄土に往生するためには 南無阿弥陀仏と声に出してとなえることによって必ず往生するのだと確信して念仏をとなえる以外 何も子細はありません

    ただし 三心といわれる心の持ち方 四修といわれる態度は 南無阿弥陀仏と口にとなえれば必ず往生できると思ううちにおのずからそなわるのです

    もし かりに私がこのほかにさらに奥深いことを知っているというようなことがあるならば お釈迦さま阿弥陀さまの慈悲の心からはずれ 本願による救いからもれてしまうでしょう

    念仏を信じる人は たとえお釈迦さまの教えをよく学んでいても 自分は経典の一文さえわからないおろかな者と受けとめて 知識のない者と同じように智者ぶったふるまいをしないで ただひたすらに念仏をするべきです

    以上に申し上げたことは私の教えとして誤りがないという証(あかし)のために両手印を押します

    浄土宗の信仰心の持ち方とその実践についてはこの一枚の紙に記したことに尽きます

    私(源空/法然上人)が思うところは これ以外にありません
    私の死後 誤った考えが何も出ないように 思うところを記しました

    建暦二年(一二一二)一月二十三日         源空花押(法然上人の署名と印)

  • 11. 発願文 (ほつがんもん)

    宗祖法然上人が師と仰いだ中国・唐時代の高僧、善導大師の著書『往生礼讃偈』に収められているもので、最期臨終の際には仏や菩薩方のお迎えをいただいて身心やすらかな中に極楽浄土へ往生できるようにと願い、往生を遂げたなら、苦しみ惑う人々を救い導こうとの誓いを述べる文です。

    [和訳]

    ※和訳はありません

    [現代語訳]

    私ども往生浄土を期している者は、このように願っております。
    「命が終わる時には、どうか心がうろたえませんように、どうか心が乱れませんように、どうか心がおぼろげになりませんように。そして、どうか身心ともに何の苦痛もなく、喜びに満ち、あたかも禅定に入ったようにおだやかでありますように。

    阿弥陀仏はじめ、多くの菩薩方を現前に拝することができ、阿弥陀仏の本願(他力)の船に乗せていただいて、極楽世界の最高の位に往生させていただきますように」と。

    極楽浄土に往生したなら、六つの優れた能力を得て、あらゆる迷いの世界に還って、悩み苦しんでいる人々を救い、お念仏にご縁を結ばしめ、皆をお浄土に導こうと思います。

    すべてを包みこんでいるこの広大な世界には際限というものがあるでしょうか(いやありません)。それと同様に、私どもの願いもまた際限などございません。以上、私どもの願いと誓いを申し述べました。
    心から阿弥陀仏にお願いし、おまかせいたします。

  • 12. 摂益文 (しょうやくもん)

    阿弥陀さまの光明はいつも、お念仏をとなえる私たちを照らしています。そのお慈悲を喜び、極楽浄土への想いを深めましょう。

    [和訳]

    如来の光明は徧く十方世界を照らして 
    念仏の衆生を摂取して捨てたまわず

    [現代語訳]

    阿弥陀さまの光明は くまなくすべての世界を照らし 念仏する人々を 必ず救いとるのであります

  • 13. 念仏一会 (ねんぶついちえ)

    お念仏を繰り返しとなえます。数にきまりはありませんが、なるべく多くとなえるのがよいでしょう。
  • 14. 総回向偈 (そうえこうげ)

    お念仏の功徳をすべての人々にふり向け、極楽浄土へともに往生できることを願います。

    [和訳]

    願わくは此の功徳を以て 平等一切に施し
    同じく菩提心を発して 安楽国に往生せん

    [現代語訳]

    このお念仏の功徳を 有縁・無縁の全ての人々と平等に分かちあい
    ともに仏を求める心をおこして 西方極楽浄土に生まれたいと私は心から願います

  • 15. 十念 (じゅうねん)

    「我が名をとなえる者は誰でも極楽浄土に救いとる」と誓われた阿弥陀さまを信じ、心から「南無阿弥陀仏」と十遍繰り返します。 九遍目のみ「なむあみだぶつ」とおとなえしましょう。
  • 16. 総願偈 (そうがんげ)

    自分自身も仏となるための誓いを述べ、お念仏の功徳によってみな共々に極楽へ往生し、仏の道を歩めますようにと願います。

    [和訳]

    衆生無辺なれども誓って度せんことを願う 煩悩無辺なれども誓って断ぜんことを願う
    法門無尽なれども誓って知らんことを願う 無上菩提誓って証せんことを願う
    自他法界利益を同うし 共に極楽に生じて仏道を成ぜん

    [現代語訳]

    生きとし生けるものは数えようもなく多くても それらすべてのものをさとりの彼岸に到達させることを誓い願います わずらい・悩み・迷いは限りなくても それらを断ち切りたいと誓い願います

    み仏の教えは数え尽くせないほど多くても これを知り理解したいと誓い願います さとりの道はこの上もなく遠いものであっても 必ずそれを体得すると誓い願います

    生きとし生けるものすべてが 自分も他人も等しくご利益を得て ともに極楽に生まれて 仏道を完成させましょう

  • 17-1. 三唱礼 (さんしょうらい)

    「南無阿弥陀仏」と三遍、節をつけて計九回となえます。 *この「三唱礼」か次の「三身礼」のいずれかを唱えます。
  • 17-2. 三身礼 (さんじんらい)

    西のかなたにある極楽浄土にいらっしゃる阿弥陀さまの、大きな三つの特徴を讃えます。

    [和訳]

    西方極楽世界の本願成就身阿弥陀仏に南無す
    西方極楽世界の光明摂取身阿弥陀仏に南無す
    西方極楽世界の来迎引接身阿弥陀仏に南無す

    [現代語訳]

    西方極楽世界にましまして 本願を成就された御身の阿弥陀仏に帰依いたします
    西方極楽世界にましまして 光明によって救いとってくださる御身の阿弥陀仏に帰依いたします
    西方極楽世界にましまして 臨終には 来迎し 極楽に導いてくださる御身の阿弥陀仏に帰依いたします

  • 18. 送仏偈 (そうぶつげ)

    おつとめをするにあたっておいでいただいた仏さまをお送りし、また私たちの毎日をお守りくださるようお願いしましょう。

    [和訳]

    請うらくは仏 縁に随って本国に還りたまえ   
    普く香華を散じ 心に仏を送りたてまつる
    願わくは仏の慈心 遙かに護念したまえ   同生相勧む 尽く須く来たるべし

    [現代語訳]

    仏さまにお願いいたします それぞれのご縁にしたがって浄土へお帰りください   香を薫じ 花を散じつつ 心から仏さまをお送りいたします

    願わくは仏さまの慈悲のみ心をもって 遠くからでも私たちをお守りください   浄土に生まれた方々は 私たちにも必ず浄土に生まれよと勧めていらっしゃいます

  • 19.十念 (低声十念)

    自分の耳に聞こえる程度の小さい声でお念仏を十遍となえます。