仏事・おつとめ ~ 毎日のおつとめ
浄土宗のおつとめは「日常勤行式」と呼ばれます。 それぞれのお経には、深い意味があることはいうまでもありません。しかし、漢文を一読するだけでは、その意味するところがわかりにくいのも事実でしょう。ここでは「日常勤行式」で唱える経文に加え、お経をより味わっていただくために、経文の下に現代語訳を載せています。
香偈 こうげ
願我身浄如香炉 | 願我心如智慧火 |
念念焚焼戒定香 | 供養十方三世仏 |
お香は「仏さまの使い」とも言われます。
道場だけでなく身体と心を清らかにし、仏さまをご供養いたしましょう。
三宝礼 さんぼうらい
一心敬礼十方法界常住仏 |
一心敬礼十方法界常住法 |
一心敬礼十方法界常住僧 |
仏・法(仏さまの教え)・僧(その教えを信じる人々)の三宝を礼拝し、まごころをささげましょう。
四奉請 しぶじょう
奉請十方如来入道場散華楽 |
奉請釈迦如来入道場散華楽 |
奉請弥陀如来入道場散華楽 |
奉請観音勢至諸大菩薩入道場散華楽 |
阿弥陀さま・お釈迦さま・もろもろの菩薩さまのお慈悲をあおぎ、
この道場においでくださいとお願いします。
*この四奉請か次の三奉請のいずれかを唱えます。
三奉請 さんぶじょう
奉請弥陀世尊入道場 |
奉請釈迦如来入道場 |
奉請十方如来入道場 |
大意は四奉請と同じです。
懺悔偈 さんげげ
我昔所造諸悪業 | 皆由無始貪瞋痴 |
従身語意之所生 | 一切我今皆懺悔 |
はるかな過去より現在まで重ねてきた罪を、仏さまのみ前で悔い改めます。
十念 じゅうねん
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 |
「我が名をとなえる者は誰でも極楽浄土に救いとる」と誓われた阿弥陀さまを信じ、心から「南無阿弥陀仏」と十遍繰り返します。
九遍目のみ「なむあみだぶつ」とおとなえしましょう。
開経偈 かいきょうげ
無上甚深微妙法 | 百千万劫難遭遇 |
我今見聞得受持 | 願解如来真実義 |
仏さまの教えを聞ける機会を得たことを喜び、
その尊い法を身につけられるよう、仏さまにお願いします。
仏説無量寿経 四誓偈 ぶっせつむりょうじゅきょう しせいげ
我建超世願 | 必至無上道 | 斯願不満足 | 誓不成正覚 |
我於無量劫 | 不為大施主 | 普済諸貧苦 | 誓不成正覚 |
我至成仏道 | 名声超十方 | 究竟靡所聞 | 誓不成正覚 |
離欲深正念 | 浄慧修梵行 | 志求無上道 | 為諸天人師 |
神力演大光 | 普照無際土 | 消除三垢冥 | 広済衆厄難 |
開彼智慧眼 | 滅此昏盲闇 | 閉塞諸悪道 | 通達善趣門 |
功祚成満足 | 威曜朗十方 | 日月戢重暉 | 天光隠不現 |
為衆開法蔵 | 広施功徳宝 | 常於大衆中 | 説法師子吼 |
供養一切仏 | 具足衆徳本 | 願慧悉成満 | 得為三界雄 |
如仏無礙智 | 通達靡不照 | 願我功慧力 | 等此最勝尊 |
斯願若剋果 | 大千応感動 | 虚空諸天人 | 当雨珍妙華 |
『無量寿経』の一部。仏となってすべての者を救おうと、世自在王如来のみ前で四十八の誓い(四十八願)をたてた法蔵菩薩が、あらためてその決意を述べ、さらに世自在王如来の功徳を讃えて自らもそうありたいとの意志を表明しています。
本誓偈 ほんぜいげ
弥陀本誓願 | 極楽之要門 |
定散等回向 | 速証無生身 |
ここまで唱えたお経の功徳を、極楽往生のためにふりむけます。
十念 じゅうねん
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 |
「我が名をとなえる者は誰でも極楽浄土に救いとる」と誓われた阿弥陀さまを信じ、心から「南無阿弥陀仏」と十遍繰り返します。
九遍目のみ「なむあみだぶつ」とおとなえしましょう。
宗祖(元祖)法然上人御遺訓 一枚起請文
しゅうそほうねんしょうにんゆいくん いちまいきしょうもん
宗祖法然上人がご臨終(往生)される二日前に遺されたお言葉です。上人のみ教えの肝要がすべて込められているといわれます。
発願文 ほつがんもん
宗祖法然上人が師と仰いだ中国・唐時代の高僧、善導大師の著書『往生礼讃偈』に収められているもので、最期臨終の際には仏や菩薩方のお迎えをいただいて身心やすらかな中に極楽浄土へ往生できるようにと願い、往生を遂げたなら、苦しみ惑う人々を救い導こうとの誓いを述べる文です。
摂益文 しょうやくもん
光明徧照 | 十方世界 |
念仏衆生 | 摂取不捨 |
阿弥陀さまの光明はいつも、お念仏をとなえる私たちを照らしています。そのお慈悲を喜び、極楽浄土への想いを深めましょう。
念仏一会 ねんぶついちえ
お念仏を繰り返しとなえます。数にきまりはありませんが、なるべく多くとなえるのがよいでしょう。
総回向偈 そうえこうげ
願以此功徳 | 平等施一切 |
同発菩提心 | 往生安楽国 |
お念仏の功徳をすべての人々にふり向け、極楽浄土へともに往生できることを願います。
十念 じゅうねん
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 |
「我が名をとなえる者は誰でも極楽浄土に救いとる」と誓われた阿弥陀さまを信じ、心から「南無阿弥陀仏」と十遍繰り返します。
九遍目のみ「なむあみだぶつ」とおとなえしましょう。
総願偈 そうがんげ
衆生無辺誓願度 | 煩悩無辺誓願断 |
法門無尽誓願知 | 無上菩提誓願証 |
自他法界同利益 | 共生極楽成仏道 |
自分自身も仏となるための誓いを述べ、お念仏の功徳によってみな共々に極楽へ往生し、仏の道を歩めますようにと願います。
三唱礼 さんしょうらい
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
「南無阿弥陀仏」と三遍、節をつけて計九回となえます。
*この「三唱礼」か次の「三身礼」のいずれかを唱えます。
三身礼 さんじんらい
南無西方極楽世界本願成就身阿弥陀仏 |
南無西方極楽世界光明摂取身阿弥陀仏 |
南無西方極楽世界来迎引接身阿弥陀仏 |
西のかなたにある極楽浄土にいらっしゃる阿弥陀さまの、大きな三つの特徴を讃えます。
送仏偈 そうぶつげ
請仏随縁還本国 | 普散香華心送仏 |
願仏慈心遙護念 | 同生相勧尽須来 |
おつとめをするにあたっておいでいただいた仏さまをお送りし、また私たちの毎日をお守りくださるようお願いしましょう。
十念(低声十念) じゅうねん(ていせいじゅうねん)
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 | 南無阿弥陀仏 |
南無阿弥陀仏 |
自分の耳に聞こえる程度の小さい声でお念仏を十遍となえます。
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