~ 仏説無量寿経 四誓偈 ぶっせつむりょうじゅきょう しせいげ
仏説無量寿経 四誓偈 ぶっせつむりょうじゅきょうしせいげ
我建超世願 必至無上道 斯願不満足 誓不成正覚
我れ超世の願を建つ 必ず無上道に至らん 斯の願満足せずんば誓って正覚を成ぜじ
私(法蔵菩薩のこと)はこれまでこの世にはなかったような すぐれた誓願を建てた
必ずやこの上ない覚りの境地へと到達したい
これらの誓願がすべて満たされない限りは 完全なる覚りの境地には決して入るまい
我於無量劫 不為大施主 普済諸貧苦 誓不成正覚
我れ無量劫に於いて大施主となって 普く諸の貧苦を済わずんば誓って正覚を成ぜじ
私はたとえ無量劫を経ようとも 恵みを施す大いなる主となり
貧困にもがき苦しむあらゆる人々を すべてみな救わない限りは
完全なる覚りの境地には決して入るまい
我至成仏道 名声超十方 究竟靡所聞 誓不成正覚
我れ仏道を成ずるに至らば名声十方に超え
究竟して聞こゆる所なくんば誓って正覚を成ぜじ
私が覚りの境地へ到達した時 仏としての我が名があらゆる世界を超えて響きわたり
その響きがその果てに聞こえなくなるようなことがある限りは
完全なる覚りの境地には決して入るまい
離欲深正念 浄慧修梵行 志求無上道 為諸天人師
離欲と深正念と浄慧との修梵行をもって 無上道を志求して諸の天人師とならん
欲望から離れ深遠な正しい思念を保ち 清らかな智慧を具え尊い梵行を修め
この上ない覚りの境地を得ようと志して あらゆる天人や人々を導く師に私はなりたい
神力演大光 普照無際土 消除三垢冥 広済衆厄難
神力大光を演べ普く無際の土を照らし 三垢の冥を消除して広く衆の厄難を済い
世自在王仏よ あなた様のように仏たる者は 人知を超えた強大な力を用いて大いなる光を放ち 無限の彼方の世界までことごとく照らし出して
貪り・瞋り・愚かさという三種の煩悩の闇を取り除き あらゆる世界のいかなる苦難に喘ぐ人にも救いの手を差し伸べる
開彼智慧眼 滅此昏盲闇 閉塞諸悪道 通達善趣門
彼の智慧の眼を開いて此の昏盲の闇を滅し 諸の悪道を閉塞して善趣の門に通達せしむ
迷い深き者に智慧の眼を開かせたり 視界を遮る暗黒の煩悩を除いたりする
地獄・餓鬼・畜生の三悪道に堕ちていく道を閉ざして
善行によって赴く人々や天人の世界へ通じる門をくぐらせる
功祚成満足 威曜朗十方 日月戢重暉 天光隠不現
功祚満足することを成じて威曜十方に朗らかなり 日月重暉を戢め天光も隠れて現ぜず
仏として具えるべき功徳をすべて具え その身体から発せられる光はあらゆる世界で輝き
太陽の光も月の光もその輝きに飲み込まれ 神々の光も打ち消されて輝きを失うほどである
為衆開法蔵 広施功徳宝 常於大衆中 説法師子吼
衆の為に法蔵を開いて広く功徳の宝を施し 常に大衆の中に於いて説法師子吼したもう
人々のために仏法の蔵を開け放ち 仏の功徳という宝玉を分け隔てなく施し
常に人々の中にあって 獅子が吼えるように雄壮に法を説く
供養一切仏 具足衆徳本 願慧悉成満 得為三界雄
一切の仏を供養し衆の徳本を具足し 願慧悉く成満して三界の雄となることを得たまえり
あらゆる世界の仏を供養し 様々な行を修めて功徳を積み
誓願も智慧もことごとく完成させ 迷いの世界の人々を導く師となる
如仏無礙智 通達靡不照 願我功慧力 等此最勝尊
仏の無礙智の如きは通達して照らしたまわずということなし 願わくは我が功慧の力此の最勝尊に等しからん
仏が具えている智慧の光というものは 何ものにも妨げられず
あらゆる世界に行きわたり 照らし残すということはない
願わくは私が仏となるからには 功徳と智慧のはたらきは
このような最もすぐれた尊者(最勝尊)と等しくありたい
斯願若剋果 大千応感動 虚空諸天人 当雨珍妙華
斯の願若し剋果せば大千応に感動すべし 虚空の諸の天人当に珍妙の華を雨らすべし
こうした誓願が成就するならば あらゆる世界が揺れ動くように
空に舞う諸々の天人が妙なる花を雨降らすように
*現代語訳は浄土宗総合研究所編『現代語訳浄土三部経』(浄土宗発行)より。