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仏事まめ知識 ~ 菩提寺(檀那寺)

ひとくちに寺院と言っても、歴史的にひもといていけば建立された経緯はさまざまであることがわかります。国家安穏を祈願するために建てられた寺院もあれば、ある特定の人の供養のために有力な権力者が建てた寺院もあります。もちろん、お念仏にいそしむための道場として建てられたお寺もあります。

みなさんは、ご先祖のお墓があって、常々お世話になっているお寺を、「○○寺(院)」と正式な名前で呼ぶほかに、「うちの菩提寺(ぼだいじ)」と呼ぶことがあるのではないでしょうか。「菩提寺」の「菩提」とは「さとり」「めざめ」を意味する言葉。つまり菩提寺とは、亡くなった家族や親類一族などが、後の世で一切の苦しみから解き放たれ、仏さまのお導きによってさとりを開くことができるように、仏さまのお護りをいただいて安穏な後生でありますように、といった願いの意味が込められたお寺、ということです。ですから、建立のもともとの由縁がどのようなことであれ、先祖の御霊(みたま)を弔う役割を担っているお寺であれば、お世話になっている側からすれば「菩提寺」ということになります。

その菩提寺のことを、「檀那寺(だんなでら)」という呼び方をすることもあります。「檀那」とは、仏教発祥の地、古代インドの言葉「ダーナ」の発音を漢字に当てはめたもの(仏教がインドから中国に伝わった際、発音がそのまま漢字表記された言葉が多数あります。これを音写語といいます)で、元来は「布施(ふせ)(布施行)」の意味。布施とは、他者に対して物質的、金銭的、精神的、さまざまなかたちで施しをすることです。仏道では、実践としてのさまざまな「行(ぎょう)」が説かれますが、日本に伝わった大乗仏教では、あらゆる修行の第一番目として掲げられているほど、「布施行」は重んじられています。

その「布施」を意味する「檀那」が「布施や寄進をする人」の意味に派生し、「そうした方々のお布施によって支えられているお寺」の意味に転じて「檀那寺」ともいうのです。ここで注意したいのは、布施は一方通行ではない、ということです。寺院(僧侶)側は法(教え)を説いたり、先祖供養の法要を勤めたりする行為(これらを法施(ほうせ)といいます)を、信者側はお寺(僧侶)の経済的基盤をサポートする物的・経済的行為(これを財施(ざいせ)といいます)を、それぞれ行っている、つまり寺院側と信者側が、大きな功徳(くどく)となる布施行を互いに実践し合っている、という構図になっているのです。

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