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仏事まめ知識 ~ お彼岸を迎えるにあたって

1. お彼岸はいつ? 由来は?

お彼岸は、春分・秋分の日とその前後3日間で、令和2年の秋彼岸は9月19~25日です。
(彼岸入り=9月19日、中日=9月22日、彼岸明け=9月25日)
多くの寺院で法要が勤められるなど、大切な仏教行事の一つ。お盆などとは違い日本独自の行事で、奈良時代から行われるようになったとされています。この期間にお墓参りをされる方もいらっしゃるでしょう。

もともと「彼岸」とは、仏教が生まれた古代インドで使われたサンスクリット語「パーラミター(波羅蜜多)」に由来する言葉で「向こう岸に渡る」という意味。これを漢訳すると「到彼岸(とうひがん)」となり、浄土宗では、私たちのいる生死が繰り返され苦しみの多い “この岸 (此岸=しがん)” から、仏の世界である “かの岸 (彼岸=ひがん)” の極楽浄土に到ることをいいます。
春分・秋分の日は、太陽が真西に沈むため、その方角にある阿弥陀さまの西方極楽浄土に想いを馳せるのに適した時期と言われてきました。
こうしたことから浄土宗では、自身が極楽浄土に往生することを願い、積極的に仏道を実践しまた、お浄土にいらっしゃるご先祖のみ霊(たま)を供養する期間として、「お彼岸」を意義付けています。

仏道修行というと滝に打たれたり、お経を読んだりすることをイメージされる方も多いかと思います。もちろんそれらも修行ですが、そればかりではありません。
浄土宗でいえば「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)とお念仏をとなえること」をはじめ、「人に優しい言葉をかける」「笑顔で人に接する」「社会のために奉仕する」など、人に悦びや安らぎを施す〝善い行い〟も含まれます。
私たちには、頭で理解できていても実践できていないことがたくさんあります。仏教では、頭だけでなく体でも理解すること、つまり実際に行動することが重要になります。
単に教義(教え)を「学ぶ」だけではなく、日々の修行という「実践」をともなうのが仏教のあり方です。ぜひ、このお彼岸の機会にあなたなりに〝善い行い〟を実践しましょう。
善行(ぜんぎょう)を積む姿を、極楽浄土から見てくださっている阿弥陀さまが、あなたの人生を理想的な生き方へと導いてくれるでしょう。

夕焼け

(写真=浄土宗新聞)

2.お彼岸の準備をしましょう

お墓参りの作法

お掃除をして気持ちよくお墓参りを

お墓が菩提寺にある場合は、まずご住職(寺族)にご挨拶をし、本堂のご本尊さまにお参りをします。
お墓参りには、お数珠(じゅず)・お袈裟(けさ)、お線香・お花(地方によっては樒〈しきみ〉をあげることもあります)、マッチまたはライター。そのほか、手桶と柄杓(ひしゃく)、さらに雑巾(ぞうきん)、きれいなタオル、ほうき、タワシ、ゴミ袋などの清掃具も忘れずに。墓地の汚れにつながることから、お供物は禁止されているところも増えています。
到着したら、まず合掌・礼拝(らいはい)、そしてお十念をとなえてから清掃をします。きれいになったらお花、お線香をあげ、墓石に水をかけ、あらためて合掌しお十念をとなえ、あなたの思いを故人にお届けください。

お仏壇のお掃除とお手入れ

お彼岸を迎えるにあたって、ご家庭にお仏壇がある方は、お仏壇のお掃除もお忘れなく。きれいになったお仏壇に新しいお供物とお花を供えれば、懐かしいあの方も、きっと喜んでくださいます。

お仏壇の詳しいお手入れの方法はこちらをご覧ください。

お花とお供え物

お供えする花は何がいい?

お仏壇やお墓にお供えする「仏花」と聞いて、多くの人が思い浮かべる代表的な花は菊ではないでしょうか。理由には諸説あり、邪気を払う力がある、花が長持ちする、などがあります。
お供えする花は、臭いの強いものや棘(とげ)のあるものは避けた方がよいとされていますが、花の種類に特別決まったルールはありません。故人が好きだったお花があればそれをお供えください。
何よりも故人が喜ぶのは、あなたがお仏壇に、あるいは墓前に足を運び花を供え、手を合わせてくれる、その気持ちです。

お供え物「ぼたもち」と「おはぎ」

昔から、春のお彼岸には「牡丹餅(ぼたもち)」を、秋のお彼岸には「おはぎ」お供えする習慣があります。
「牡丹餅」は大きな牡丹の花が咲く春彼岸の頃に、小豆のこしあんでくるんだ餅を牡丹に見立てたもの、「おはぎ」は、小豆の粒が萩の咲き乱れる様子を表しているのだとか。
秋のお彼岸には、お仏壇やお墓に、先立った方へ想いをいたしながら、「おはぎ」をお供えしてはいかがでしょうか。お参りを終えたら、仏さまからのお下がりとして、おいしくいただきましょう。

御霊膳

お仏壇には、お供え物の他に、御霊膳(れいぜん)をお上げしましょう。下のイラストのように、飯椀には白飯やかやくご飯などを、汁椀にはお吸い物やお味噌汁を、平椀(ひらわん。平とも)には野菜の煮物、壺椀(壺)には煮豆やゴマ和え、おひたしなどを、そして中央の高杯(たかつき)には香の物を。食材は出汁(だし)を含めてすべて精進(しょうじん)ものが原則ですが、ご家庭で召し上がるものと同じ食事を出してもよいでしょう。その際、お膳の向きはご先祖さまが召し上がれるようにします。
7日間お上げするのが理想ですが、それがむずかしければ、彼岸入り、お中日、彼岸明けの3回、あるいはお中日のみでもよいでしょう。

関連リンク:「いっしょ いっしょ」エッセイ 祈りの場を調える 〜お供えのススメ〜

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