今月の言葉

2024年7月:周りを照らす人になろう

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周りを照らす人になろう

Be someone who helps others.

長く続いた梅雨の空。夏を目前に控え、澄んだ夜空に星々が光り輝くのを心待ちにしている方も多いことでしょう。

皆さまは国際宇宙ステーション(ISS)にある日本実験棟「きぼう」をご存知でしょうか。 ISS/ 「きぼう」は、夜空に輝く星たちと同じくらいの明るさで観測ができる、サッカーコート程もある巨大な実験施設のことで、地上からはるか400キロメートル上空を1周約90分というスピードで周回し、宇宙開発技術の進展のみならず、教育や文化などさまざまな分野で貢献しています。

そんなISSを肉眼で見ることのできる条件は大きく三つ。①空が晴れていること。②近くをISSが通過すること。③地上は夜だけど、ISSは昼であること。

①と②については説明せずとも理解しやすいでしょう。では③について、そもそもISSは自らが光を放つのではなく、太陽の光を反射しているために光って見えます。ですから、ISSを地上から見るためには、ISSに太陽の光が当たっている時間、つまりISSにとって昼である必要があります。

その一方で、地上では昼間に星が見えないように、夜にしかISSの輝きは見ることができません。地上は夜だけど、ISSは昼であるという都合のいい条件はあるのでしょうか。

それは、日の出前や日の入り後の約2時間。この時間帯だけ地上は夜なのに、はるか上空のISSはまだ昼の時間になるのです。この時に夜空を見上げると、夜空に輝くISSの「きぼうの光」を見ることができるのです。

このきぼうの光は、まさに未来を照らす灯として、夢と希望を与え続けてくれます。では、私たちも周りを照らす灯となるためには、どうすればよいのでしょうか。

難しいことはありません。人々に手を差し伸べ、慈しみの心を持って接することです。大切な方が悲しんでいれば一緒に悲しみ、笑顔にしてあげたいと思う。私たち一人ひとりの心は小さな灯にすぎませんが、それがたくさん集まれば大きな光となります。それがきっときぼうの光のように、周りを輝き照らすものとなっていくことでしょう。
(北海道小樽市 天上寺 石上壽應)