今月の言葉

2021年01月:羽ばたく備え 怠りなく

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誓い新たにはじめよう

Start off the year with new goals.

昨年は、新型コロナウイルスの世界的流行が世間を騒がせました。「ソーシャルディスタンス」「クラスター」「三密」など、聞いたこともなかった単語が連日の報道で当然のように使われるようになり、町中のいたる所に消毒液が設置され、マスクをせずに歩いている人を見かけることはほとんどありません。

3月には、国民的大スターのコメディアン・志村けんさんが感染し、短期間に重症化してお亡くなりになったというニュースが流れ、世間に大きな衝撃を与えました。私自身も持病がありますので、決して他人ごとではないと実感させられました。

死はまさに人生の一大事です。誰一人として避けることはできず、本人はもちろん、残された人にとっても、時としてこの上もない苦しみとなります。
私は、祖父を心筋梗塞で亡くしました。家族の誰もが予想しえなかった突然の旅立ちでした。気持ちの整理もつかない中で葬儀を迎えましたが、参列してくださった皆さまが、祖父のために真心のこもったお念仏をおとなえする姿に感激しました。

お念仏の教えは、心から「阿弥陀さま、どうかお助けください」と願い、口に「南無阿弥陀仏」とおとなえすることで、阿弥陀さまにお迎えをいただき、極楽浄土に往生できるという教えです。そして往生すれば、先立たれた方と極楽で再会することができます。

法然上人が法難に遭い、京都から四国に配流(はいる)されることになったとき、上人に深く帰依した、九条兼実公は、これが永遠の別れになると思い、大変悲しまれました。
それに対し上人は、

露の身は ここ彼処にて 消えぬとも心は同じ 花の台ぞ

というお歌をお詠みになられました。

上人は、はかない露のようなこの身が、どこで亡くなったとしても、お互いにお念仏さえとなえているならば、極楽で再会できるのは間違いなく、一時の別れで嘆かれなくてもよいですよ、と兼実公を優しく勇気づけられました。

まだまだ不安な状況が続きそうですが、お念仏をとなえる人々にとって心の拠り所となるこの教えを信じ、今年も阿弥陀さまに誓いを新たに、お念仏をはじめたいものです。


(石川県七尾市 西念寺 高田光順)