今月の言葉

2023年1月:思いから行いへ

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思いから行いへ

Right now,take the first step toward achieving the goals you have set.

朝夕の冷え込みも強くなり、朝の布団から離れ難く思う日が多くなりました。何とかぬくもりをふり切って起きるのですが、一度起きてしまえば一日を過ごすのは容易です。しかし、起きようと心に決めて実際に起きる。単純で簡単なことでも我々はそれができないことがあります。
法然上人のご法語に「それ浄土に往生せんと欲わば、心と行との二つ相応すべきなり」(『往生大要抄』)とあり、これを安心起行と申します。安心とは、浄土往生という目標を心に定めること、起行とは、往生のためにお念仏をおとなえすることです。これらが互いに助け合い支え合うことが大切であると説かれています。目標だけで何も行動しなければ、それが達成されることはなく、目標無く行動しても、何かを成すことはできません。起きようと思うだけではまた寝てしまいますし、体を起こしただけで布団から出る意思がなければ、これもまた寝てしまうでしょう。
では、思いをどのように行いへと繋いでいくべきでしょうか。とあるお檀家さんの話ですが、その方はご主人の葬儀からずっと月命日には私と一緒にお経をおとなえしていました。生家が違う宗派で最初は慣れないお経だったそうですが、となえているお念仏が亡きご主人に届いているんだとの想いで、毎回一生懸命におとなえしてくださいました。その方も往生を遂げられましたが、その間一緒にとなえ続け、少しずつ上手になっていき、そのお念仏をとてもありがたく感じました。
このように、思いから行いへ繋げるには、続けられることから行いに移すことです。それは小さな思いを形にすることから始めるのが良いと思います。まずは、心の中で一言お念仏をおとなえしてはいかがでしょう。法然上人は、一日七万遍のお念仏を申したといいます。同じことを成すのは容易ではありませんが、一遍のお念仏から十遍、百遍と増やし続ければ、いずれ、より多くのお念仏をおとなえできるはずです。
机の上を整理する際になむあみだぶつ、散歩前になむあみだぶつ、就寝前になむあみだぶつ。そうすれば大きな目標を定めてなくても、動き始めるきっかけ、後押しになるかもしれません。皆さまにとって、お念仏がそんなきっかけとなってくれれば、とてもありがたいです。
(香川県丸亀市 寿覚院 瀧口悠也)