三大蔵ユネスコ「世界の記憶」登録を記念し 大本山増上寺で記念式典 開催

今年4月、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の執行委員会で「世界の記憶」に「増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書(増上寺三大蔵)」が国際登録された。これを記念して7月1日、大本山増上寺(東京都港区=小澤憲珠台下)が、ユネスコ「世界の記憶」国際登録記念式典を開催。
「増上寺三大蔵」は、中国や朝鮮半島で当時の技術の粋を集めて印刷された3種の仏教聖典の集まりで、17世紀に徳川家康によって増上寺に寄進された。これらをもとに現代仏教書研究の基礎資料『大正新脩大蔵経』が作られたほか、令和5年にその画像がインターネットに公開され、仏教研究だけでなく東洋哲学研究の原典にもなっている。
式典では本尊の阿弥陀如来に登録を奉告する法要を厳修。その後の御垂示で小澤台下は、「近代仏教学研究の重要な資料として三大蔵を長く後世に伝えていかなければならない」と決意を語った。
法要後の講演会には、小説家で印刷博物館館長の京極夏彦氏が登壇。印刷物としての三大蔵の意義と紙の印刷物の重要性を語った。