浄土宗新聞

想う気持ちを“かたち”に 作法のキホン(上)

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お盆は、棚経やお墓参りなどで作法を気にすることが多い時期。「どうすればいいの?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。作法ばかり気にしていては、ご先祖さまやご本尊さまとしっかりと向き合えません。
今号から2回にわたって紹介する浄土宗の作法の基本をおさえ、大切な方と向き合い、よりよい時間を過ごしましょう。

袈裟のつけ方

お参りや法要の時に、ぜひ身に着けていただきたい「お数珠」と「お袈裟」。仏教徒である証をつけて、ご先祖さまとの時間を過ごしましょう。
仏教徒が身につける衣服であるお袈裟。僧侶だけが着るものと思われる方が多いかもしれませんが、檀信徒や一般の方も身に着けられるお袈裟に「輪袈裟」があります。
細長いお袈裟の両端を飾り紐でつなげて環状にしたもので、葬儀や法要、日々のおつとめのほか、寺院に参拝するときに身に着けます。浄土宗の輪袈裟には、浄土宗の宗紋・月影杏葉が正面や首の後ろ部分についているのが一般的です。首にかける際に、紋の向きが上下逆になっていたり、飾り紐の付いている部分が内側に来ないように気を付けましょう。

数珠のかけ方

お数珠は、基本的に小さな珠に糸などを通して輪の形にした、宗派を問わずに使用される仏具です。浄土宗では一般的に輪を二つ重ねた二連の数珠「日課数珠」を用います。これには“毎日お念仏をとなえるための数珠”という意味があります。
合掌している時は、少し大きな珠(親玉)が、親指と人差し指の間にくるように二つの輪を手にかけ、房を胸側に垂らします。お焼香をするなど合掌をしない時には、左手首に掛けておきましょう。

十念のとなえ方

浄土宗では、法事や葬儀だけでなく、寺院参拝や食事の前後など、さまざまな機会で「南無阿弥陀仏」と10回となえるお十念をします。
お十念は「ナムアミダブ」と8回となえ、9回目に「ナムアミダブツ」と「ツ」まで発音します。最後は「ナームアミダーブー」と、少し語間を伸ばしてとなえましょう。
8回まで一息ではきついときは、「ナムアミダブ」を4回、一息入れてまた4回、9回目と最後は前述と同じようにとなえます。
棚経参りやお墓参りで菩提寺のご住職が訪れた際には、ともにお十念をおとなえしましょう。