浄土宗新聞

京都浄土宗寺院 特別大公開 開催 55カ寺で寺宝拝観や念仏体験

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来場者に涅槃図の絵解きをする三寳寺・田畑誠一住職

 寺宝の公開や法話などを通じ、仏教や浄土宗の教えを知ってもらおうと、京都教区教化団(北村隆信教化団長)が10月1日から29日にかけて、教区内55カ寺で特別公開を行った。
 この催しは、檀信徒だけでなく地域の住民や観光客にも広く寺院や僧侶に親しみを持ってもらいたいと、平成26年にスタート、コロナ禍で令和2年・3年は中止をしたが、今年で8回目となる。
 9月29日、大公開に先立ち一念寺(京都市伏見区)で行った記者会見で、北村教化団長は「コロナで断った地域の絆を再び再生するには時間と労力がかかる。この催しが、そうした地域の絆を再生する一つのきっかけになれば」と語った。
 今回初参加したのは、一念寺、大本山百萬遍知恩寺(同市左京区)塔頭の善導院、龍見院の3カ寺。このうち一念寺では、10月20日から22日の期間、高木元興住職が1日5座、別時念仏会を参拝者と勤めた後、本尊阿弥陀如来坐像(京都府指定有形文化財)など寺宝や寺の縁起を解説した。
 このほか三寳寺(同市中京区)では、10月6日から8日、9月に修理を終えた江戸時代前期作の刺繍「仏涅槃図」(写真)を公開し、約250名が来場した。
 この涅槃図は、本紙が長さ2・8㍍、幅2・5㍍。入滅する釈迦の部分が着脱でき、本体から浮き上がっている作例で、全国的にも珍しいものだという。
 同教区では来年以降も大公開を続けていく予定。