茂木健一郎氏、和田明日香氏ら、幸せについて語る 第8回法然フォーラム開催 5/30 石川・金沢市文化ホール
浄土宗(川中光敎宗務総長)は5月30日、令和6年宗開宗850年の(2024)に迎えた浄土慶讃事業の一つ、 「浄土宗開宗850年記念法然フォーラムこれからの幸せ」の第8回目を石川県金沢市の金沢市文化ホールで開催し、約600名が来場、盛会となった。
これは、開宗850年のキャッチコピー「お念佛からはじまる幸せ」をもとに、紛争・疫病・自然災害が頻発し、世界の平和が揺らぐ中、 「幸せとは何か」を問い、来場者とともに考えることを目的に企画したもの。脳科学者の茂木健一郎氏、料理家で食育インストラクターの和田明日香氏、金沢市極楽寺住職の澤邉紘行(こうあん)師を招き、漫才師の笑い飯哲夫氏を司会進行、浄土宗総合研究所副所長の戸松義晴(ぎせい)師をコメンテーターに座談が行われた。
茂木氏は講演で、無いものねだりが不幸せの原因で、今の自分を知り、 「足る」を知ることで人は幸せになれるとし、 「足るを知ることが向上心と矛盾しないことは脳科学で証明されている」と指摘した。
哲夫氏の仏教談義を挟んで行われた座談の中で和田氏は、 「自分以外の人からこうでなければいけないと押し付けられることが不幸、幸せは他人を受け止め、自分を見つけていくこと」とした。また、澤邉師は能登半島地震で娘の友人を失った経験から、幸せな家庭や、友人との時間という自分たちが容易に想像できる幸せは、一瞬で崩れてしまうとし、 「私は法然上人の教えを信じることで、悲しみが訪れても、お念仏でつながれた者同士再会できると確信している。これが、いつ起こるかわからない不幸や悲しみの予防となっている。この予防を普段からできることが私の幸せだ」と語った。
戸松師は座談の終わりに登壇者の話に触れながら、「全てのものは移り変わっていく。その移り変わりを受け止めることが大切なことではないか」と締めくくった。
フォーラムは、全国各地で計9回開催予定。詳細は開宗850年HPから。