浄土宗新聞

日本文化や仏教の〝心〟を伝える 米イリノイ大日本館 25周年 小澤台下揮毫の書贈呈

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米国・イリノイ大学(イリノイ州)芸術学部の日本館(ジャパンハウス)は、5月4日から 5日、新館建立25周年記念式典を開催、大本山増上寺・小澤憲珠台下(けんじゅだいか)が「至誠心」と揮毫した書が、妙定院(東京都港区)住職の小林正道(しょうどう)師(大本山増上寺執事長)によって贈呈された。
同館は、学生や地域住民に日本文化を紹介するため、1964年に設立された教育機関で、のち茶室や日本庭園が設けられ、現在まで米国中西部の日本文化の発信拠点となっている。

小林師は、50年前にイリノイ大に学び、浄土宗寺院出身の日本館第2代館長となる郡司紀美子(ぐんじきみこ)氏と知り合い、以来、郡司氏が来日した際には増上寺や自坊を案内するなど交流を重ねてきた。今回、同館3代目館長を勤めるジェニファー・グンジ=ボールズラッド氏に記念式典に招待され、小林師は日米交流の一助にと、同書の贈呈を企画。増上寺の小澤台下に揮毫を依頼した。

記念式典は小林師をはじめ、在シカゴ日本国総領事館の柳淳総領事が来賓として出席。小林師は書の贈呈とともに(写真)、「至誠心」の意味や日本文化における「心」の重要性などをスピーチ。また同日、同館茶室の床の間には同書が飾られた。

ボールズラッド館長は、「このような宝物を贈呈いただいたことは、大変名誉なことであり、ジャパンハウスの歴史の中でも忘れられない時となりました。書の言葉も、これまで私たちが『Kokoro』として英訳の研究テーマとしてきた日本語の『心』で、日本館に相応しいものと感じました」と感想を述べた。