浄土宗教誨師会 開宗850年慶讃記念事業 阿波介追善法要 記念講演 開催 6/26 平泉・中尊寺
教誨活動を行う浄土宗教師で組織される浄土宗教誨師会(堀芳照理事長)が6月26日、天台宗大本山中尊寺(岩手県平泉町)で、浄土宗開宗850年慶讃「阿波の介追善法要並びに記念講演会」を行った。
これは、浄土宗開宗850年を機に法然上人の弟子の一人で同寺にゆかりのある阿波介を讃える趣旨で同会が企画し、実現したもの。
阿波介は、平安時代の陰陽師で人の心を誑し、謀で人を欺く悪人であったが、法然上人の教誨を受け改心し弟子になった人物。臨終には同寺金色堂で、西に向かって念仏をとなえて往生したと伝わり、現在も堂前には阿波介の舎利塚が遺されている。一説に、現在、浄土宗で用いている二連数珠のもとを考案したとも伝わる。
当日は全国各地より僧侶や檀信徒ら約100名が参列。法要は川中光敎宗務総長を導師に、堀理事長と武田眞和岩手教区長を脇導師、東北地区の各教区長が式衆を務めた。金色堂前の阿波介舎利塚で追善回向、中尊寺光勝院で浄土宗開宗850年慶讃・阿波介追善法要が営まれ、法要では法然上人が示され、阿波介が帰依した念仏の教えを讃えるとともに、法然上人が浄土宗を開くきっかけとなった「開宗の文」を読み上げ、参列者はお念仏をとなえた。
法要後川中総長は「浄土宗とも縁が深い中尊寺で、開宗850年慶讃法要と阿波介の追善回向ができたことを大変嬉しく思うとともに、また次の開宗900年にむけて歩みはじめたい」と語り、続いて来賓として法要にご列席された奥山元照中尊寺貫首は「浄土宗が開宗され850年続いたのは、これまで多くの人々が阿波介のように法然上人への一途な帰依の気持ちを持ち続けた証左だと思います。今回阿波介が紡いだこのご縁に感謝したい」と述べられた。
その後、同院で行われた念講演では林田康順大正大学教授による「浄土宗開宗の意義と教化に浴した弟子達―阿波介の事績を中心に」、佐々木邦世中尊寺佛教文化研究所所長による「心の西―平泉で浄土を語る」と題した講演が行われた。