伝統の作法で開宗を寿ぐ 浄土宗開宗850年慶讃法要令和6年十夜法要円成 大本山 光明寺
大本山光明寺(神奈川県鎌倉市)が、10月12日に浄土宗開宗850年慶讃法要を、13日から14日にかけて恒例の十夜法要を営んだ。
浄土宗開宗850年の正当となった本年、浄土宗総本山、大本山では、開宗850年を迎えたことを寿ぎ、お念仏をとなえ、法然上人に報恩感謝を捧げることを目的に慶讃法要を勤めている。
十夜法要は、光明寺第9世祐崇上人が、後土御門天皇の勅許をうけて勤めて以降、浄土宗寺院で広く勤められるようになった伝統ある法要で、浄土宗の十夜法要発祥の寺である同寺では、例年、同法要が営まれるこの時期に執り行い、総本山、大本山が営む慶讃法要の締めくくりを飾った。
慶讃法要が営まれた12日は、時より同寺布教師会会長の慶野匡文師(横須賀市・光雲寺住職)による記念法話が行われ、14時より、柴田哲彦(てつげん)台下を導師に、吉水智栄師(川崎市・一行寺住職)、夏見裕貴師(横浜市・宗忠寺住職)を脇導師に法要が営まれた。
法要は、光明寺雅楽会による雅楽の演奏からはじまり、導師、式衆が入堂、読経が始まった。柴田台下は法要のなかで表白(法要の趣旨を綴った文章)を読み上げて、法然上人の遺徳を讃え、報恩感謝の念を捧げた。法要では、独特の節を付けて『阿弥陀経』をとなえる引声阿弥陀経(いんぜいあみだきょう)や、声を緩やかに長く伸ばしながらとなえる引声念仏(いんぜいねんぶつ)など、同寺に古くから伝わる伝統的な法式作法が勤められた。
法要後の御垂示で柴田台下は、「開宗850年を、法然上人をはじめ、浄土宗三祖で光明寺開山の良忠(りょうちゅう)上人や、祐崇上人にご報告することができ、また歴史的大法要を無事に円成(えんじょう)できたことを嬉しく思う」と述べられた。
また、同日17時より十夜法要開白法要が営まれ、翌13日から14日には、北邨賢雄師(南足柄市・西念寺住職)が唱導師を勤める日中法要や、横井隆彦師(横浜市・宗泉寺住職)が御代理導師を勤める晨朝法要を厳修。同日17時の結願法要をもって十夜法要を締めく
くった。
期間中、露店も多数出店し、参列者のみならず、多くの参拝客が訪れるなど、盛況を博した。