浄土宗新聞

浄土宗にまつわる名品156点が出展 特別展「法然と極楽浄土」開催 京都国立博物館

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10月8日から、京都国立博物館(京都市東山区)で特別展「法然と極楽浄土」が始まった。
この展覧会は、内乱や災害などが頻発していた平安時代末期に、「南無阿弥陀仏」ととなえることで誰もが平等に救われるという教えに法然上人が出会い、承安5年(1175)に浄土宗を開宗してから850年を迎えたことを機に開催されるもの。

内覧会当日。来場者は作品一つ一つと向かい合っていた
内覧会当日。来場者は作品一つ一つと向かい合っていた

多くの困難を乗り越え、万人の救済を目指しお念仏の教えを布教した法然上人の生涯、阿弥陀仏や極楽浄土の世界を表した美術品をはじめ、法然上人の教えを受け継いだ弟子たちに関連する作品も出展されるなど、浄土宗850年の歴史を展示物を通して知ることができる。

4月16日から6月9日まで開催された東京国立博物館(東京都台東区)での展示を終え、12月1日まで京都国立博物館、令和7年10月7日からは九州国立博物館(福岡県太宰府市)で開催される。なかでも京都会場は、3会場中で最も出展数が多く、同会場のみの出展作品が42点あり、南宋時代の中国人画家・普悦(ふえつ)が描いた「阿弥陀三尊像」(国宝・大本山清浄華院蔵)や全高約20センチの厨子の中に地蔵菩薩像と小さな地蔵菩薩が約千体祀られる「厨子入千躰地蔵菩薩像」(重文・報恩寺蔵)などが展示される。また3年かけて修復された「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」(国宝・総本山知恩院蔵)や鎌倉時代に造られた数少ない法然上人の彫像「法然上人坐像」(重文・奥院蔵)など、普段は見ることができない作品を堪能できる機会となっている。

同博物館が所在する京都市には、総本山知恩院をはじめ、三つの大本山など重要な寺院が多くあり、法然上人が生涯の多くを過ごした地で行われる今回の特別展は、会場で作品を見た後に、実際に所蔵する寺院を巡ることで、歴史的な背景をリアルに感じることもできる。

開催に先立つ10月7日には、関係者を招いた内覧会が行われ、その挨拶で川中光敎宗務総長は「檀信徒のみならず、ひろく一般の方にもご来場いただき、この展示会を通じて法然上人のみ教え、お念仏のみ教えを知ってほしい」と語った。


特別展「法然と極楽浄土」(京都会場)概要

  • 会 期:10月8日(火)~12月1日(日)
    ※休館日 月曜日 10月15日(火) 11月5日(火)
    ただし10月14日(月・祝)と11月4日(月・休)は開館
    ※会期中に展示替えあり
  • 場 所:京都国立博物館 平成知新館
    (京都府京都市東山区茶屋町527)
  • 観覧料:一般1,800円 大学生 1,200円 高校生700円 中学生以下無料
  • 開催情報はコチラ

♦九州国立博物館でも令和7年10月7日~11月30日で開催