浄土宗新聞

勢至堂安全祈願法要・撥遣式 厳修 勢至堂初の大修理 総本山知恩院

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総本山知恩院(京都市東山区)は10月8日、同院浄土宗開宗850年記念事業である勢至堂修理事業の修理工事安全祈願法要、本尊撥遣式を営んだ。

撥遣作法を行い、仏像と位牌の魂を鏡の中にうつす貴田執事長
撥遣作法を行い、仏像と位牌の魂を鏡の中にうつす貴田執事長

同堂は、法然上人が最晩年を過ごし往生された大谷の禅房の地に建立された堂宇で、享禄3年(1530)に再建された同院最古の建築物。再建時より大規模な修理は受けていないことから、現在、建物南西への沈下や、屋根瓦の破損、劣化が著しくなっており、開宗850年を機縁として法然上人への報謝のために修理工事を行うことになった。

修理工事は、令和6年11月1日に着工され、令和12年10月31日までの6年を予定。解体した古材や屋根瓦は可能な限り再利用していくという。

当日は、貴田善澄執事長を導師に勢至堂で、14時から勢至堂修理工事安全祈願法要、続いて本尊勢至菩薩像の撥遣式(仏像や位牌などの魂を抜く儀式)が営まれ、関係者約50名が参列した。

法要後の挨拶で、同堂の管理を担当する前田昌信守廟長は、「勢至堂の修理工事は知恩院における浄土宗開宗850年慶讃記念事業のメインイベント。修理を無事に終え締めくくりとしたい」と語った。