浄土宗新聞

異国の地に響くお念仏の声 浄土宗開宗850年慶讃法要 ハワイ開教130周年記念法要厳修 ハワイ開教区

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浄土宗が海外開教を行う拠点の一つ、ハワイ開教区が10月20日、米国ハワイ州ホノルのハワイ浄土宗別院(石川広宣開教総監)で、浄土宗開宗850年・開教130周年記念法要並びに慶讃帰敬式を営み、日本から川中光敎(こうきょう)宗務総長や小林正道(しょうどう)増上寺執事長約20名が参列した。

ラハイナ浄土院の伽藍で唯一被害を免れた大佛の前で法要を営んだ
ラハイナ浄土院の伽藍で唯一被害を免れた大佛の前で法要を営んだ

同開教区は、明治27年(1894)に、浄土宗僧侶の有志が、ハワイ開教を目的とする「布哇(はわい)宣教会」を組織し、同年3月に松尾諦定師、5月に岡部学応(がくおう)師が布哇宣教会布教師として、ハワイ島に渡ったことが始まり。同29年には岡部師が同島ハマクアに在留邦人の総菩提寺として、各宗派を通じてハワイにおける最初の仏教寺院であるハマクア仏教会堂(現・ハマクア浄土院)を建立。以来、延べ180名を超える開教師がハワイへ渡り布教活動にいそしみ、現在までに、13カ寺の浄土宗寺院が建立される開教区となっている。

10時からは、ハワイ開教区の4カ寺から檀信徒93名が参列して川中総長を戒師に慶讃帰敬式が営まれた。続いて11時から、浄土宗開宗850年・ハワイ開教130周年記念法要が川中総長を導師に、小林執事長、宮林雄彦(ゆうげん)宗議会議長、茂木恵順(けいじゅん)宗務役員、杉山俊明(しゅんみょう)浄土宗開教振興協会理事長、石川総監の5人を脇導師に執り行われた。

法要後、川中総長は、「多様なルーツが集まるハワイの地から、浄土宗の布教の新しい可能性が生まれることを望みます」と祝辞を述べ、同開教区のさらなる興隆を期待した。

参列した檀信徒の長尾マチコさんは、「今までにない荘厳な式典で、ハワイの方のみならず、日本から参列された方と一緒にお念仏をとなえたことに感動した」と話す。

ラハイナ浄土院の伽藍で唯一被害を免れた大佛の前で法要を営んだ
ラハイナ浄土院の伽藍で唯一被害を免れた大佛の前で法要を営んだ

翌21日には、川中総長らは、2023年8月に同州マウイ島で発生した山火事により、本堂や三重塔が焼失したラハイナ浄土院(原源照住職)を慰問。1968年に日系移民100年を記念して造立され、今回の火災で焼失を免れた大佛の前で法要を営み、同院メンバー(信徒)ら約20名とともに物故者の冥福や復興を祈念した。