日本仏教の祖 聖徳太子 1400年御遠忌大法会 厳修 大阪・叡福寺
大阪府太子町にある太子宗・叡福寺で4月28日、浄土宗が「聖徳太子1400年御遠忌大法会」を営んだ。飛鳥時代、推古天皇のもとで摂政を務め、「十七条の憲法」を制定したことで知られる聖徳太子。今年が太子の薨去から1400回忌にあたることから、聖徳太子の御廟(墓所)のある同寺は、国内10宗派に呼びかけて御遠忌法会を4月10日から5月11日にかけ勤めた。
浄土宗は、川中光敎宗務総長を導師に、井桁雄弘知恩院執事長ら要職者等約20名が参列。雅楽の厳かな調べの中、同寺境内を練り歩き、金堂(本堂)へ入堂。恭しく法要を開式した。
川中総長は宣疏(仏前で法要の意趣などを述べる文)で「人びとの尊敬と信望を集め、仏教への信仰が深く、十七条の憲法では、三宝(仏教徒が帰依すべき三つの宝)を国の中心となる精神に据え、日本仏教の興隆に努められた」(要約)と読みあげ、その遺徳を讃えた。
法要後、参列者一同、聖徳太子を祀る聖霊殿へ進み、その後に宮内庁が管理する同寺境内の聖徳太子御廟へ参拝。聖徳太子の遺徳に想いを巡らせ、念仏をとなえた。
川中総長は、「日本仏教の礎を築いた聖徳太子の法会を勤めさせていただき、万感胸にせまるものがあります。太子が根付かせた日本仏教を後世に伝え、守り続けていきたい」と、法要後に感想を語った。
叡福寺は、太子宗の本山で、大阪・四天王寺、奈良・法隆寺とならび聖徳太子信仰の中核寺院。聖徳太子御廟は丘陵を利用した円墳(高さ約7メートル、直径約54メートル)で、内部は横穴式石室になっている。聖徳太子のほか、母后・穴穂部間人皇女、妃・膳部菩岐々美郎女を合葬している。