浄土宗新聞

浄土門主 総本山知恩院門跡 伊藤唯眞猊下 年頭ご挨拶

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念仏の心で紡ぐ 社会の安寧

阿弥陀仏の慈光のもと、令和7年の新春をお迎えになられましたことと心よりお慶び申し上げます。

昨年元日に発生した能登半島地震、さらには9月の奥能登豪雨により、多くの方々が被災されました。今もなお、困難な生活を余儀なくされている方々が多くおられます。あらためて被災された皆さまにお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を祈念いたします。

世界に目を向けますと、依然として武力紛争やテロが絶えず、多くの命が奪われています。暴力や復讐の連鎖を断ち切るものは寛容と慈愛の心、そして仏陀の和の精神です。

本年は戦後80年を迎える年でもあります。混迷する現代において、阿弥陀仏の光明に導かれた私たち一人ひとりが祖師の御教えに立ち返り、平等救済の精神を今一度自覚し、社会の安寧と平和を築く一助となるよう、その役割を果たしていかねばなりません。

皆さまが、誰ひとり漏らさないという宗教精神を喚起し、共に念仏に生きる一年となりますことを願っております。

浄土門主総本山知恩院門跡 伊藤唯眞猊下
浄土門主総本山知恩院門跡 伊藤唯眞猊下