浄土宗新聞

浄土宗開宗850年慶祝慶讃事業 厳修 寺庭婦人の信仰と役割を見つめ直す 浄土宗寺 庭婦人会

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浄土宗寺庭婦人会(郁芳阿佐会長)が、総本山知恩院(京都市東山区)と大本山増上寺(東京都港区)を会場に、浄土宗開宗850年の慶祝の慶讃事業を開催した。

総本山知恩院集会堂で行われた別時会の様子
総本山知恩院集会堂で行われた別時会の様子

浄土宗寺庭婦人会とは、浄土宗寺院の寺庭婦人(お寺の奥さまやその家族など)で構成される団体で、寺庭婦人としての自覚と信仰を深め、浄土宗の興隆や会員相互の親睦を目的に研修会や募金活動、教化資料作成などの事業を行っている。

昨年は浄土宗開宗850年の正当であることから、毎年5月と10月に定期開催している研修会に合わせて、知恩院と増上寺で慶讃事業が開催された。

5月22日に知恩院御影堂で行われた春季の式典では、伊藤唯眞猊下を導師に開会式が勤められ、その後、尺八奏者で浄土宗寺院の寺族である中村仁樹氏による邦楽コンサートが行われた。続いて別時念仏会が営まれ、会員たちは木魚を打ちながらひたすらにお念仏をおとなえした。

また大阪市圓通寺住職の安達俊英師を講師に迎え、「法然上人はなぜ偉大なのか― 浄土宗開宗の意義」と題した特別記念講演が行われ、会員たちは法然上人と浄土宗の教えに対する理解を深めた。

増上寺で講義を行う戸松師
増上寺で講義を行う戸松師

10月22日には、増上寺大殿で秋季の式典が行われ、小澤憲珠台下を導師に開会式が勤められた。その後、東京都心光院住職の戸松義晴師を講師に、「法然上人浄土宗開宗の思い 多様性の社会を求めて― お念佛からはじまる幸せの具現化と寺庭婦人の役割」のテーマで特別記念講演が行われた。この講演では浄土宗開宗の背景に加え、お寺に生きる心構えや寺庭婦人の役割について詳しく述べられ、参加者が自らの信仰と社会貢献のあり方を見つめ直す機会となった。

午後からは、増上寺・中村瑞貴執事による法然上人の御遺訓「一枚起請文」の朗読や、筝演奏家で作曲家の中井智弥氏らによる箏曲演奏、増上寺雅楽会による管絃や舞楽が奉納され、参加した会員らは日本の伝統古典芸能に触れながら親睦を深めた。

郁芳会長は関係者への感謝の意を表するとともに、「法然上人のお念仏のみ教えをしっかりと学び、寺庭婦人としてお寺を守るという務めを果たしていけますよう、今後も皆さまと共に歩んでいきたい」と、その決意を語った。