先代住職の意志 引き継ぎ 旧名越派総本山専称寺本堂・総門 落慶
福島県いわき市の専称寺(遠藤弘道住職)が、令和6年11月29日、東日本大震災で被災し、復旧工事が完了していた国指定重要文化財の本堂と総門の落慶法要を営み、参列者は地域を代表する古刹の復興を喜んだ。
同寺は浄土宗旧名越派の奥州総本山で現在も東北地方を代表する寺院。平成23年に発生した東日本大震災で本堂と総門が全壊判定を受けるなど甚大な被害を受け、災害復旧事業と保存修理事業が行われていた。
本堂の屋根を江戸時代の形に復元するなど、大がかりな修繕で、工事は平成24年3月に始まり、約6年半で完了。もともと落慶法要は令和元年10月に予定されていたが、東日本台風で延期となり、令和6年が浄土宗開宗850年に当たることから、慶讃法要とともに落慶法要を営んだ。
遠藤住職は「震災当時は、令和2年に逝去した先代の遠藤顕道住職のときで、伽藍の復興は悲願でした。先代の意志を引き継ぎ、本堂と総門を落慶することができて良かった。また同じく被害を受けた庫裡の復興など、手つかずの伽藍もあり、これからも一歩ずつ復興を進めていきたい」と語った。