浄土宗新聞

850年慶讃事業「~となえよ つねに~」開催 浄土宗スカウトとしての自覚を新たに

投稿日時
28日の勤行中に、木魚を打ちながら念仏をとなえる参加者たち

スカウト活動を通じ青少年の宗教心を育むことを目的とする浄土宗スカウト連合協議会(濱田智海(ち かい)理事長)が、3月27日から29日の3日間、大本山増上寺(ぞう じょう じ)小澤(お ざわ)(けん)(じゅ)台下=東京都港区)で、第68回「浄土宗スカウト仏教章研修会」を実施、最終日の29日には同協議会による浄土宗開宗850年慶讃事業「~となえよ つねに~」を開催。

 スカウト活動は、世界的な青少年の社会教育活動の一つ。班活動を通して子どもたちの自主性や社会性、リーダーシップなどを育むことを目的としているとともに、一人ひとりが信仰を持つことを奨励しており、特定の宗教の教えや歴史を学ぶなど一定の基準を満たすことで、「仏教章」や「キリスト教章」などの『宗教章』が授与される。

 同協議会では毎年、浄土宗での仏教章取得を目指すスカウトを対象に仏教章研修会を開催しているが、今回、開宗850年を契機に、仏教章取得者やスカウト活動の指導者が初心に戻り、浄土宗の信仰をあつく持つスカウト(浄土宗スカウト)としての自覚を再確認してもらうことを目的に「~となえよ つねに~」を開催した。

 27日からの仏教章研修会には、13歳から17歳の男女26名が参加。釈尊と法然上人の伝記や教えについての講義を受けた他、浄土宗の僧侶が日ごろとなえる日常勤行式を勤めるなど、真剣に研修に取り組んでいた。

 また、29日午後から開催された「~となえよ つねに~」には、関係者45名が参加。まず営まれた開宗850年を慶讃する帰敬式(き きょう しき)(浄土宗の教えの信者となることを誓う儀式)では、代表者が「請願(せい がん)の文」を読み、仏・法・僧の三宝(さん ぼう)帰依(き え)することを誓い、浄土宗の教えに従い自覚をもって人生を歩み出す誓いを立て、暗闇の中で、阿弥陀仏の前に供えられた救いの教えを表す灯火をそれぞれのろうそくに灯し、信仰の想いを新たにした(写真下)。

 引き続き、小澤台下を導師に執り行われた開宗850年慶讃法要では、法然上人が浄土宗を開くきっかけとなった「開宗の文」を読み上げ、一同で報恩(ほう おん)のお念仏をとなえた他、法要後の記念講演会では、社会起業家として社会問題に携わっている平原依文(い ぶん)氏による「世界の境界線を溶かす」と題した講演が行われた。

 研修会参加者からは「お念仏や作法、浄土宗のことを知ることができた」などの声が寄せられた。

帰敬式の中で、仏前の灯火を頂いた参加者は、その火を大切に見つめていた