浄土宗新聞

増上寺と東博の企画展 盛況 ユネスコ「世界の記憶」国際登録を記念して

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セレモニーでご垂示をされる小澤台下。その後にはテープカットも行われた

4月17日にパリで開催されたユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の執行委員会で、「世界の記憶」に「増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書(増上寺三大蔵)」が国際登録された。これを記念した大本山増上寺(東京都港区=小澤憲珠台下)で4月19日から開催の企画展、東京国立博物館(東京都台東区)で4月28日から開催の特別企画で、増上寺三大蔵が展示され、実物を一目見ようと連日多くの人が訪れている。
 「世界の記憶」は人類にとって特に重要な記録物を国際的に登録するもの。増上寺三大蔵は、中国や朝鮮半島で制作され日本に伝わった3種類の「大蔵経(仏教聖典の総称)」で、徳川家康によって菩提寺の増上寺に寄進された。
 この三大蔵をもとに現代の仏教書研究の基礎資料『大正新脩大蔵経』が作られたほか、令和5年には、そのデジタル画像がインターネットに公開され、仏教研究のみならず東洋哲学研究の原典としての価値が高まっている。4月28日、東京国立博物館では開会のセレモニーが行われ、この中で小澤台下は、「多くの方に足を運んでいただき、現存する数少ない、ほぼ完全な状態の大蔵経を見ていただきたい」と語った(写真上)。
 増上寺の企画展には、外国人観光客も多く訪れており、三大蔵の展示に興味深く見入っていた。
 増上寺での展示は、9月8日まで。東京国立博物館の企画は6月22日まで。