浄土宗新聞

再び信仰の対象に浄土宗保管の仏像 宗内寺院へ譲渡

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浄土宗(川中光敎宗務総長)では、さまざまな理由から解散を余儀なくされた寺院に祀られていた仏像や什器7点を保管しているが、4月15日、その中の阿弥陀如来坐像、観音、勢至菩薩立像の3躯が宗内の寺院に譲渡されることとなった。
 譲渡のきっかけは、令和5年10月、佛教大学宗教文化ミュージアム(京都市右京区)が、令和6年に浄土宗開宗850年を迎えることを機に開催した企画展「拝まれてきた仏像 ふたたび拝まれる日をまつ」である。
 同展では、浄土宗が預かった仏像が、災害により本尊等の仏像を失った寺院に安置され、再び信仰の対象として祀られている事例を紹介するとともに、現在も浄土宗が保管している仏像が展示されていた。その仏像を目にした寺院の住職から、「仏像がもう一度、みなさまに拝まれるような場所を用意したい」との要望が宗派に寄せられ、今回の譲渡にいたった。
 また、これを契機に、宗内寺院に限らず他宗派の寺院からも仏像を祀りたいとの要望があったという。
 仏像を管理する担当者は、「再び礼拝仏として迎えられ、新たな場所でその地域の方々を信仰へと導いてくださることは意義深い」と述べている。