南米の地に響く念仏の声 浄土宗南米開教区が70周年記念法要

クリチバ日伯寺落慶法要に先立つ6月6日、ブラジルで活動する浄土宗南米開教区(佐々木良法開教総監)が、令和6年に同教区が70周年を迎えたことを記念し、サンパウロ州サンパウロにある南米浄土宗別院日伯寺で、「浄土宗南米開教70周年記念法要」を営んだ。
同開教区は昭和29年(1954)、浄土宗の特命開教使で後に初代総監となる長谷川良信師がサンパウロで布教活動をしたことに始まる。同師は、「宗教・教育・福祉の三位一体」を基本理念とし、日本語学校なども運営。続く2代総監・佐々木陽明師も養老ホームの建設など、宗教活動だけでなく、教育や福祉活動を精力的に行うなど、その理念は今も同開教区の大きな特徴となっている。
現在、同国内には、南米浄土宗別院のほか、マリンガ日伯寺(パラナ州マリンガ)、イビウーナ日伯寺(サンパウロ州イビウーナ)、クリチバ日伯寺(パラナ州クリチバ)の4カ寺があり、5名の浄土宗開教使(開教に従事する僧侶)が所属する。
大本山清浄華院法主・飯田実雄台下を導師に勤められた法要には、開教区の関係者や現地の信徒、日本からの訪伯団員など約170名が参列。法要の趣旨を述べる「表白」では、初代総監の長谷川師がとなえた「三位一体」の開教により念仏の教えが南米の地にさらに広まることを願った。
法要後のご垂示で飯田台下は、南米開教区の歩みについて述べられ、「この法要を機縁に、阿弥陀仏の摂取不捨(念仏をとなえた人を必ず極楽浄土に救う)の光明が、南米全土をさらに照していくことを祈念します」と締めくくられた。
続いて行われた記念式典では、開教区寺院に大きく貢献した人々へ、浄土門主、浄土宗宗務総長、南米開教総監から感謝状が贈られた。
法要中には信徒らの念仏の声が響き渡り、同開教区に念仏の教えが根付いていることが感じられた。
