平和を願う式典に浄土宗僧侶が登壇 戦災の記憶と平和への願いを次世代に

名古屋市で5月14日に開催された同市主催「なごや平和祈念式典」で、空襲体験の語り部として様々な式典や平和祈念館などで講演をしている愛知県一宮市の観音寺・中野見夫師が自身の戦争体験を語った。
名古屋市は、太平洋戦争の間に63回もの空襲を受け、約8千人が犠牲になったことから、市街地に大きな被害が及び、名古屋城を焼失した5月14日を「なごや平和の日」とし、同空襲をはじめとした戦争の犠牲者を悼み、悲惨な戦争の記憶と教訓を後世に語り継ぐことを目的に、昨年から「なごや平和祈念式典」を開催している。
この中で、中野師が「名古屋空襲『熱田空襲』の体験と平和へのメッセージ」と題して講演。寺院が戦没者の安置所になり、多くの遺体が運ばれ、その衣服や遺体の焦げた匂いがいまだに漂っていると感じることや、空襲警報が毎日のように鳴り響いていた戦時下に目にした光景を語った。
講演を終えた中野師は、「『平和の日』の制定は出発点に過ぎません。平和への願いを具体的な形にしていく取り組みを今後もしていきたい」と語った。