浄土宗新聞

尾張徳川家の菩提寺 本堂と御霊屋が重要文化財指定へ

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徳川家御霊屋本殿の須弥壇

 5月16日、名古屋市東区にある建中寺(村上真瑞住職)の本堂と徳川家御霊屋が、国の重要文化財に指定される見通しとなった。
 同寺は尾張徳川家初代藩主・徳川義直をはじめとする歴代藩主の菩提寺として江戸時代初期に建立された浄土宗寺院。今回指定された本堂は、1651年の建立だが、1785年に火災で消失し、2年後に再建されたもの。尾張徳川家の威信を背景に造られた壮大な建築であることや、内部の巧みな彫刻や鮮やかな色合いなどが高く評価された。
 1798年に建てられた尾張徳川家御霊屋は、義直をはじめとする歴代藩主の霊を祀る霊廟で、格式高い構造と荘厳な意匠が特徴。保存状態も極めて良好で、歴史的価値が高いことから指定の見通しとなった。今後、彩色復元も予定されている。
 村上住職は、今回の指定を受けて、「名古屋にこのような素晴らしい建物があるということを観光客や住民の方々にも改めて知っていただければありがたい。歴代の藩主もよろこんでいるでしょう」と述べた。

本堂の周りには、江戸時代の絵師による天井画や壁画が多数飾られている