浄土宗新聞

原爆犠牲者・戦没者80年慰霊法要 平和を願う式典に日下部台下が登壇

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法話を行う日下部台下。当日は、音楽公演や詠唱奉納も行われた

浄土宗長崎教区(久富伸行教区長)が6月17日、長崎市の聖徳寺(金子孝司住職)で「原爆犠牲者・戦没者80年慰霊法要・長崎―念仏者による恒久平和を願う集い」を厳修した。
 これは、1945年の長崎原爆投下から80年を迎える本年、犠牲となった多くの命に哀悼の誠を捧げるとともに、念仏者として戦争の悲惨さを心に刻み、二度と繰り返さないという平和への願いを新たにする場として企画されたもの。
 会場となった同寺は、原爆で本堂と庫裏が壊滅する被害を受けた寺院。
 法要は、大本山善導寺・日下部匡信台下御親修のもと、教区内外から僧侶や檀信徒、約180名が参列。
 日下部台下は法要の趣旨を述べる「表白」で、戦争の犠牲者を追悼。さらに宗教が戦争に助力したことを阿弥陀仏に懺悔し、世界平和と人々の幸せを祈念した。
 法要後には、日下部台下による法話が行われ、愚鈍(無知で愚か)な念仏者として自分自身を見つめ直すことが戦争のない平和な世界へ繋がると述べられ、「法然上人の「一枚起請文」に説かれる「智者のふるまいをせずしてただ一向に念仏すべし」の教えに邁進しましょう」と締めくくった。