九州の地に浄土宗の名宝が集う 特別展「法然と極楽浄土」開幕

10月7日から九州国立博物館(福岡県太宰府市)で、特別展「法然と極楽浄土」が始まった。
この展覧会は、飢饉や災害などが頻発した平安時代末期に、「南無阿弥陀仏」ととなえることで誰もが極楽浄土へ救われる教えを法然上人が見いだし、承安5年(1175)に浄土宗を開かれてから令和6年(2024)で850年を迎えたことを機に開催されているもの。
多くの困難にあいながらもお念仏の教えを説いた法然上人の生涯、阿弥陀仏や極楽浄土の世界を表した美術品をはじめ、その教えを受け継ぎ、各地にひろめた弟子たちに関連する作品も出展されるなど、今日までの浄土宗の歩みを感じることができる。
昨年の東京国立博物館、京都国立博物館での開催が終わり、最後の開催地となった同館では、九州出身の法然上人の弟子で、大本山善導寺(同県久留米市)を開山した浄土宗第二祖聖光上人にまつわる作品も多く、聖光上人坐像(重文・善導寺蔵)や、念仏往生の教えを記し、手印で証とした上人直筆の「末代念仏授手印」(佐賀・大覚寺蔵)などを拝観することができる。
開催に先立つ10月6日には、関係者を招いた内覧会(写真上)が行われ、246人が来場。その中、行われた挨拶で浄土宗の川中光敎宗務総長は、「展示品から法然上人がお説きになったお念仏の教えを、身近に感じていただける機会にしていただければうれしい」と語った。
同日は、宗内、同館関係者が参列した法要も営まれ、展覧会の盛会を願った(写真右)。
九州国立博物館での会期は11月30日まで。展示品詳細などは左記QRから。
