善光寺大本願 第122世 川名観惠台下 晋山式 厳修

10月24日青く澄み渡った秋空の下、長野県長野市にある大本山善光寺大本願で同寺第122世・川名観惠台下の晋山式が盛大に営まれた。山内には台下の晋山を喜ぶお念仏の声が響きわたった。
晋山式とは、新たに任命された住職が、住職として初めてそのお寺に入ることを記念して営まれる法要のことで、「晋」は進む、「山」は寺院を意味する。
式は10月24日午前9時30分から練り行列が始まり、門前の西方寺を出発。色鮮やかな袈裟と衣を纏った川名台下を中心とした僧侶らは、雅楽による演奏のなか参道から大勢の参拝者に見守られながら、厳かに善光寺大本願へと進んだ。台下は大本願唐門に到着すると、境内に進むための儀式・開門式を勤め、続いて堂前での角塔婆供養を行い、その後、本誓殿へ昇殿された。
中央の高座へ進まれると、堂内正面の本尊に深く礼拝され、その後に読経が始まった。台下は法要のなかで、表白(法要の趣旨を綴った文章)を読み上げ、晋山の報告と寺門興隆を宗祖法然上人や、歴代住職に誓われた。その後、参列者に十念を授与され、堂内にはお念仏の声が響き渡った。
台下は法要後の挨拶で、「大本願法主として多くの方と共に阿弥陀さまへお念仏をおとなえさせていただき、ご縁をいただいた皆さまと手を取り合って善光寺の法灯を守り、精進していきたい」と決意を述べられた。
当日は大本山増上寺小澤憲珠台下をはじめ、各大本山御法主台下や、川中光敎宗務総長、総本山知恩院貴田善澄執事長、宮林雄彦宗議会議長、天台宗善光寺大勧進栢木寛照貫主ほか、宗内外の要職者を来賓に迎え、また善光寺大本願信徒、川名台下が住職を務められた青山善光寺(東京都港区)檀信徒など約300名が参列し、晋山の喜びを分かち合った。
晋山式の前には、鷹司誓玉名誉法主の法主退任式も営まれ、川名台下へ歴代法主が使用してきた払子が授与された。
川名台下は昭和15年生まれの85歳。青山善光寺住職を務め、平成26年より大本山善光寺大本願副住職を兼務。浄土宗吉水会や尼僧教師後援会の会長などの要職を歴任された。
