浄土宗新聞

宗祖法然上人の遺跡を護りたい 本尊修復のため 全国行脚 高知・正福寺

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高知県四万十市にある正福寺の月城嘉辰(つきしろかしん)住職は、本尊修復のため、今年4月からその資金を募る全国行脚を始めた。
法然上人は建永の法難の際、当初は土佐・中村(現在の高知県四万十市)に配流となる予定で、上人を迎えるために正福寺は建立された。しかし、上人の配流地が讃岐(現在の香川県)となり、同地の人々は悲しみ、それを聞いた上人は、自らの七条袈裟と鉦鼓(しょうこ)(金属製の打物)を同寺に贈ったとされ、現在も遺されている(四万十市郷土資料館にて保管)。

修復する本尊阿弥陀如来(中央)と、正福寺月城住職(写真左)
修復する本尊阿弥陀如来(中央)と、正福寺月城住職(写真左)


正福寺はかつて、30カ寺以上の末寺を持つ同地の中心寺院であったが、明治時代に廃仏毀釈の影響を受け廃寺に。その後、復興するも住職不在の時期が長く、本尊の阿弥陀如来像も破損した状態のままであった。

月城師はもともと同県須崎市にある発生寺(佐藤秋生(しゅうせい)住職)の副住職であり、当時は佐藤住職が正福寺を管理していた。月城師が正福寺に立ち寄った際、その現状を知り、法然上人ゆかりの寺院を復興させたいと発願し、佐藤住職に志願して平成29年から住職に就任。令和元年から移り住んだ。その直後にコロナ禍となり、活動が難しかったことから、その間、活動方法を思案した。
そこで月城師が思いついたのは全国行脚だった。1口1万円で修復費を募り、4口以上の寄進してくれた寺院には、無料法話券を配布している。行脚はコロナ禍が落ち着いた今年4月から始まり、6月までに北海道、東北、関東地方などを回った。場所によっては、連日、車中泊のときもあったという。
行脚中、寺院から、寄進以外にも食事や寝床の提供、活動に対する激励もあった。そうした応援が行脚の励みになったという。

月城師は「9月1日までに目標額は達成しましたが、行脚は続ける予定です。全国を巡ることで上人ゆかりの遺跡である正福寺のことを知ってもらい、護り続けていきたい」と決意を語ってくれた。
今後は、東海、近畿、中国を行脚する予定。