浄土宗新聞

200年継ぎ足しのタレ 老舗の絶品うな重を満喫 うなぎ辻判

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兵庫県丹波市・浄圓寺檀信徒

うな重(一尾、吸い物、香の物付き、5280円)。関西では珍しいひつまぶし(5500円)なども人気
うな重(一尾、吸い物、香の物付き、5280円)。関西では珍しいひつまぶし(5500円)なども人気

日本海を望む若狭沿岸地域と阪神地域を結ぶ舞鶴若狭自動車道春日ICを下り、車を走らせることほんの数分で、国領という名ののどかな集落にたどり着く。西国巡礼街道の要衝で、法然上人が京都・久美浜に行く途中に立ち寄ったとされる「見ノ寺」がかつてあったところでもある。

その集落の中ほどに暖簾を掲げるのが、今回紹介する「うなぎ辻判」 。創業は1819年という老舗料理店だ。代々「三太夫」の名を継承する八代目・判治郎が料理旅館を開いたのが始まりとか。現在は、それより六代目にあたる上田裕美さんと隆さん夫妻が、両親である五代目・元志(もとし)さんと祥子さん夫妻とともにお店を切り盛りしている。

もとは割烹料理店だったというが、料理の〆として出していた鰻丼の評判が良かったこともあって、数年前からうなぎに特化した料理専門店としてネット上で公開。すると、県外から訪ねてくるお客さんが一気に増えて、女将さんもビックリ。 「美味しいうなぎ料理を求めて全国を食べ歩く方が、本当に多いんですよ」と。時には外国人も来るようになったというから、大変な変わりようである。

調理を担当するのは、この道60年という大ベテランの元志さんと義理の息子の隆さん。技術継承も順調のようだ。隆さんの研究熱心さは誰もが認めるところで、元志さんが温かい眼差しで支援している光景がほほ笑ましい。

うなぎは浜名湖産。これを備長炭でじっくり焼き上げる。焼き方は関西風の地焼きだから、皮はパリッと香ばしい。これに200年間継ぎ足ししてきたタレを絡めれば、えもいわれぬ味わいに。丹波産コシヒカリと共に頬張れば、もう言うことなし。幸せ気分満点だ。

一番人気の「うな重」は、半尾(2970円)や七分(4730円)などもあるが、やはりボリューム満点の一尾(5280円)がオススメ。何はともあれ、200年以上受け継いできた老舗の味を存分に堪能してほしい。
(ライター : 藤井勝彦)

店舗情報

左から元志さん、裕美さん、祥子さん、浄圓寺板倉住職
左から元志さん、裕美さん、祥子さん、浄圓寺板倉住職
  • 〒669-4273 兵庫県丹波市春日町国領1131
  • TEL:0795-75-0029
  • 営業時間=11時〜15時
  •      17時~20時(要予約)
  • 定休日=月・火曜日
  • JR「黒井駅」から車で約8分
  • 駐車場あり
  • 詳細は店舗ホームページ
  • ※価格は税込