浄土宗新聞

和装のおしゃれはまた別格!伝統守る名古屋のきもの店 優雅なきもの 杉本屋

投稿日時

愛知県名古屋市・高岳院檀信徒

和傘のデザインが珍しい訪問着。式典やパーティーにぴったり。和傘には花紋が描かれている
和傘のデザインが珍しい訪問着。式典やパーティーにぴったり。和傘には花紋が描かれている

名古屋市最大の繁華街・栄。その中心地から地下鉄で10分ほどの場所に、高岳というエリアがある。大手企業のビルが立ち並ぶオフィス街だが、裏通りは意外にも静かだ。その一角に見えてきたのは、大正14年(1925) から続く、きもの店「杉本屋」。

店の表にはいくつか反物がディスプレイされており、その美しさに魅了されてしまった。

「名古屋は城下町の時代から、芸どころで有名。当店も、日本舞踊や邦楽、お茶など伝統芸能に携わる方にご贔屓いただいています。そうした方の普段着はもちろん、きもの愛好者のためのおしゃれ着も。質が良く、用途に合ったきものが見つかるというお声をいただいています」と話すのは、代表の杉本昭一さんだ。

早速、品物を見せていただいた。まず目を奪われたのは、利休鼠に傘柄の訪問着。京都でも指折りの染め屋で染色されたという色は複雑で奥ゆかしく、傘や花のところどころに刺繍が用いられ、きわめて繊細。華やかな場で身に纏えば、注目を集めるに違いない。

ところで、帯の種類の一つ「名古屋帯」は、当地と何か関係が?と思う人もいるかもしれない。諸説あるうち有力なのが、名古屋女学校の創設者が大正時代に考案したというもの。もちろん杉本屋でも名古屋帯を扱っており、一枚のきものを何倍にも楽しめる着こなしを提案してくれる。

「きものは、選ぶのが意外と難しく、パッと見で選んでも、実際に顔に当てると似合わない場合があります。また年齢に合わせて落ち着いた色を選ぶと、顔色が沈んでしまうことも。肌色や表情、その方の雰囲気からお顔映りを見きわめるのも、私たちの仕事です」

TPOに合わせて柄を選んだり、小物の色合わせを楽しんだりと、洋服とは異なるおしゃれを味わえるきもの。観劇や展覧会にぴったりの季節に、きものでお出かけしてはいかが。

(ライター:岡本茉衣)

店舗情報

「着物は足し算。小物を足すことで、表現の幅が広がる」と三代目のご主人・杉本さん
「着物は足し算。小物を足すことで、表現の幅が広がる」と三代目のご主人・杉本さん
  • 〒461-0001
  • 名古屋市東区泉1丁目6-32 サンステージ泉1 F
  • TEL:052-962-4161
  • 営業時間=9時〜18時
  • 定休日=祝日・日
  • 名古屋市営地下鉄桜通線「高岳駅」から徒歩約8分
  • 駐車場あり
  • 詳細はホームページ