一心寺の参詣後に一休み 名物のごくらく大福も絶品 一心寺茶房 緑州
大阪府大阪市・一心寺境内
大阪市天王寺区にある一心寺といえば、「施餓鬼供養」で知られるお寺である。宗派を問わず誰もが先祖供養ができるとあって、開かれたお寺としても親しまれる。加えて、多くの遺骨を粉砕して阿弥陀如来像として蘇らせた「お骨佛」と呼ばれる仏像が奉安されているというのも、地元では多くの人が知るところである。
広大な敷地内には大本堂をはじめ、納骨堂や念佛堂など多くのお堂などが点在しているが、参詣の後で立ち寄りたいのが、仁王門のすぐ側にある「一心寺茶房緑州」だ。
一心寺へ訪れた方々が参詣の後、ひと休みできるようにと設けられた一心寺直営の和風喫茶だったが、1年ほど前から、和洋菓子製造販売会社の代表・石山登さんが受け継いだという。外観は洋風だが、中に入ると一転。漆塗りのテーブルや畳敷きの椅子など、和の面影が濃厚だ。
コーヒー(450円)や抹茶(干菓子付き550円)なども味わい深いが、ぜひとも注文したいのが小豆と抹茶のロールケーキ(550円)や小豆と栗のロールケーキ(550円)である。洋のロールケーキの中に和の小豆を加えたもので、甘さ控え目の優しい味わいが格別。
また、特筆すべきは、今や一心寺名物ともなった蓮の実入りの「ごくらく大福」(3 個入り5 0 0 円、6個入り1000円)が購入できる点。もともと2017年に造立された第14期のお骨佛の開眼法要を前に考案されたもので、年次納骨供養大法要の際に境内で販売したところ、わずか1時間で完売したというほどの人気ぶりであった。それが常時購入できるのがここだけというから、見逃す訳にはいかないのだ。
考案したのは石山さんで、「仏教の花である蓮の実をどうしても使いたかったのです」とか。それでも、硬い実ゆえに、柔らかく調理するのに苦労したとも。ともあれ、お店で一息ついた後、お土産として持ち帰って家族や友人たちと味わいたいものである。
(紀行ライター:藤井勝彦)
店舗情報
- 〒543-0062 大阪府大阪市天王寺区逢阪2-5-11 一心寺単信庵1F
- TEL:06-6772-5136
- 営業時間=9時〜16時
- 定休日=無休
- JR 大阪環状線「天王寺駅」またはOsaka Metro御堂筋線「天王寺駅」から徒歩約8分
- ※価格は税込