オルゴールの音色となった浄土宗宗歌「月かげ」 株式会社オルゴール
長野県駒ケ根市・安楽寺信徒
![「月影オルゴールシリーズ」は、18弁(15秒) 1 種類と、30弁(30秒) 3 種類が基本( 1 〜5 万円前後・要問合せ)](https://jodo.or.jp/wp-content/uploads/2025/01/2-1024x683.jpg)
「月かげの いたらぬさとは なけれども ながむる人の 心にぞすむ」
これは法然上人が作られた和歌で、浄土宗宗歌の「月かげ」である。あまねく照らしてくださる阿弥陀如来の慈悲、そのみ光を月の光に譬えて歌いあげられたものだ。この宗歌を編曲し直してオルゴールにしたのが諏訪湖湖畔にあるオルゴール専門工場・株式会社オルゴールである。
会社を立ち上げて数十年、専門技能者を多く率い続けるのが、オルゴールに携わって55年というマイスターで社長の柴垣幹男(しばがきみきお)さん(74歳)。今は、長男の順也(じゅんや)さん(49歳)や次男の勇太(ゆうた)さん(47歳)も大きな戦力となって父を支える。後継者にも恵まれて、実に頼もしい限りだ。
ネット販売を主軸として様々なタイプのオルゴールを製造販売しているが、最大の特徴は、顧客の希望の楽曲を独自に編曲した上でお好みの製品に仕上げるという点だろう。既存の曲だけでなく、顧客から提供された楽曲(例えば校歌や社歌など)を独自に編曲してオルゴールにしてくれる。まさにオーダーメイドの「世界で一つしかないオリジナルオルゴール」が手に入るのだ。
ただ柴垣社長は「小さなドラム一回転の中に、原曲のイメージをうまく盛り込まなければなりません。それがとても難しいのです」と話す。技能の習得も大変で、それができる専門技能者は、日本でも指折り数えるほどだとか。
冒頭に紹介した「月かげ」の編曲に関しても、その苦労は想像に難くない。2年ほど前に、大本山清浄華院・飯田実雄台下とのご縁があって製作を手がけることになったものの、完成まで1年以上要したというから、その大変さが推し量れよう。
顧客の「思い出に寄り添う音色作り」にこだわり、編曲、調律、組み立てなど全ての工程において、経験豊富な専門技能者が携わって作り上げるという貴重なオルゴール。是非贈り物にいかがだろうか。
(紀行ライター:藤井勝彦)
店舗情報
![社長の柴垣幹男さん(右)と顧問の山岸英雄さん(左)](https://jodo.or.jp/wp-content/uploads/2025/01/1-1-1024x683.jpg)
- 〒393-0044 長野県下諏訪町湖浜6154-6
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店舗:10時~15時 - 定休日=土・日・祝日
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