浄土宗新聞

ケーキからサンドイッチまで 地元の人が集う老舗洋菓子 ラ・パティスリーりぼん

投稿日時

岐阜県岐阜市・正道院檀家

定番のシューロールやチーズケーキ、プリンなどのほか焼き菓子も人気。

斎藤道三(どう さん)、織田信長ゆかりの岐阜城、鵜飼(う かい)で知られる長良川(なが ら がわ)、古い街並みの川原町など、歴史と文化が色濃く残る岐阜市。
 そこで50年以上に渡って地元の人に愛されているのが、今回訪れた「ラ・パティスリー りぼん」。ケーキや焼菓子はもちろん、サンドイッチなどの軽食も絶品だ。オーナーの山賀浩二さんと母の敏子さん、菩提寺である正道院(しょう どう いん)の竹中純瑜(じゅん ゆ)住職が案内してくれた。
 「春は岐阜のブランドいちご濃姫(のう ひめ)のケーキが人気です。フレッシュな濃姫は春限定ですが、焼き菓子なら一年中その味を楽しめます。規格外品の濃姫を活用して作ったパウダーやシロップを焼き菓子に使っているんです」と山賀さん。
 濃姫の焼き菓子をいただくと、いちごの甘酸っぱい香りがふわり。甘さ控えめで優しく、とても軽やかだ。
「この店は父と母が始めて56年。長く続けられているのは本当にありがたい」
 山賀さんは朝早くからケーキ作りに励みつつ、こまめに店に顔を出す。喫茶スペースは、サンドイッチやケーキを食べる人で賑わい、飲食後に焼き菓子やあんみつを買って帰る人も多いという。
 竹中住職が「私はのり巻きサンドが好き」と言えば、敏子さんは「それは私が考えたメニューです」と嬉しそう。ハムやツナ、厚焼き玉子をパンとのりで巻いたボリューム満点の一品で、おすすめのメニュー。
 「暑い季節は、岐阜産の寒天を使ったあんみつも人気です。初夏にはチェリーボンボンの仕込みが始まります。サクランボを半年間ブランデーに漬け込むので完成は冬。とても人気で、毎年早々に完売します」
 山賀さんのスイーツには、安心感と季節のワクワクが詰まっている。今度は冬に訪れてチェリーボンボンを食べたい! そう思わずにいられなかった。

(フードライター:藤岡操)

槍ヶ岳を開山した播隆(ばん りゅう)上人にちなみ、蕎麦粉、わかめ、塩を使った蕎麦粉ガレット。正道院で行われる播隆講などの行事で配られている。ガレット購入の場合は、要事前問合わせ

店舗情報

右から山賀浩二さん、竹中住職、敏子さんとスタッフのみなさん
  • 〒500-8108  岐阜市川端町14
  • TEL:058-265-3271
  • 営業時間=8時30分~19時(喫茶Lo17時)
  • 定休日=日曜、祝日
  • JR「岐阜駅」または「名鉄岐阜駅」よりバスで約10分「今沢町」下車、徒歩1分
  • 駐車場あり