浄土宗新聞

絶品モチガツオにウツボまで!紀州の海の幸はおまかせあれ 銀ちろ 塔の内店

投稿日時

和歌山県田辺市・龍泉寺檀信徒

左からモチガツオの刺身1650円(入荷状況は要問い合わせ)、ウツボの唐揚げ1485円。地酒は990円~

JR紀勢本線「紀伊田辺駅」で下車、向かったのは「銀ちろ」。地元では「銀ちろさん」と呼ばれ、知らない人はいない有名店だ。
「今の時期、田辺に来たらモチガツオを食べてください。今年は、7年ぶりに黒潮が紀伊半島に近づき、それにのってやってきたカツオが近海で揚がり始めました。水揚げされたカツオが今届いたので、お召し上がりください」
 案内してくれたのは二代目の保田英雄社長。モチガツオとは、死後硬直していない獲れたてのカツオで、もちもち食感が特徴だ。
「皮の下にある脂がおいしいんです。だから、脂を残し、もちもち感を活かす厚さにさばくんです」
 口に入れると、まさにもちもち。ほどよい脂と旨味で、臭みがまったくない。
 モチガツオのおいしさは、漁場が近いという地の利と板前さんの腕がそろってこそ味わえるのだ。
 添えられていた海藻も絶品。田辺湾に自生する「紀州ひろめ」と呼ばれる希少な海藻で、強い粘りと歯切れのよいシャキッと食感、磯の風味が格別。「春を告げる海藻」と呼ばれているというから、初夏に出会えたのはラッキーだ。
 続いていただいたのはウツボの唐揚げ。ウツボは温暖な地域の磯に広く生息する魚だが、食べる地域は珍しい。上品な白身ながら小骨が多く、さばくのに相当な技術が必要だからだ。
 いただいてみると、皮の下の分厚いコラーゲンがムッチリと弾み、かむたびにニヤリ。もうヤミツキ! 
 地酒とともに、夢中で紀州の海の幸を堪能した。
「カツオはタタキもおいしいですよ。ウツボはタタキ、天ぷら、ちり鍋などでも楽しめます。この辺りは釜揚げしらすもおいしいし、冬はクエ鍋もおすすめです」
 田辺の海の幸をいただくなら、銀ちろさんにおまかせあれ。

(フードライター:藤岡操)

店舗情報

人気の土産「しらす山椒煮」。甘みを加えず、酒と醤油で最後まで煮詰めて仕上げた唯一無二の味。1080円~
  •  〒646-0026 和歌山県田辺市宝来町7-29TEL:0778-22-1363
  •  TEL:0739-24-8666
  •  営業時間=11時~14時 17時~20時30分
  •  定休日=水曜日
  •  JR紀勢本線「紀伊田辺駅」から徒歩10分
  • JR紀勢本線「紀伊田辺駅」から徒歩10分
  • 駐車場あり