浄土宗新聞

懐かしくて新しい! 唯一無二のコーヒーロール  ケーキの店 ファソン・ドゥ・ドイ

投稿日時

宮城県塩竈市・雲上寺檀信徒

「コーヒーロール」(346円)は少し常温で置くとクリームがふんわり。香りと酸味が心地よい「レモンパイ」(356円)。「カステラ」(160円~)は穏やかな甘みが印象的
「コーヒーロール」(346円)は少し常温で置くとクリームがふんわり。香りと酸味が心地よい「レモンパイ」(356円)。「カステラ」(160円~)は穏やかな甘みが印象的

「このあたりでは、法事に使うお菓子の定番は、コーヒーロールなんですよ」
宮城県塩竈市の雲上寺でこんな話を聞いた。地元で知らない人はいないというこの「コーヒーロール」を作っているのが、「ファソン・ドゥ・ドイ」だ。
店に入ると、ショーケースに手のひらほどもある大きなコーヒーロールがズラリ。きめ細かい小麦色の生地が、なんとも色っぽい。
「さあ、どうぞ召し上がってみてください」と、店主の土井彰さん。
口に入れると優しい甘みとコーヒーの香りがふわ~。ふんわりとしたバタークリームは想像以上に軽くてあっさり、生地はふかふか!懐かしい味なのに、新しいスイーツに出会った気分だ。
「実は私自身、コーヒーロールは苦手で……。だから、自分が好きな味にしたいと思い続けてきました。最近は本当に美味しくできてます!」
真っ直ぐな笑顔で話す土井さんだが、開店以来30年間には多くの試練があった。
「東日本大震災、さらに、病気で右手が動かなくなって…。手術をして復帰した頃、仕事で新しい出会いがあり、とても刺激を受けました。それで、自由にやってみようという気持ちになれたんです」
これを機に、土井さんは次々によい素材と巡り合う。県内の竹鶏ファームで、竹炭を鶏の飼料に使いクセのないやさしい味わいを実現した「竹鶏たまご」に出会えた。「コーヒーロール」と並ぶ人気商品「レモンパイ」に使うレモンは、地元の市場を通して周年産地を変えながら国産品を入手。レモンの皮を使ってフレッシュな香り付けがかなった。ずっと作りたいと思っていた「アップルローズパイ」は、宮城県オリジナル品種のリンゴ、「サワールージュ」に出会って誕生した。
「コーヒーロールは子どもの頃はもっと大きかったって話題もよく出ます。実際は生地の膨らみが増して大きくなってるんですけどね」と、笑う。派手な変化はないけれど、飽きのこない「軽やかなあと口」を追求し続けてきた。この誠実さこそ、長く慕われ続ける理由に違いない。
(フードライター:藤岡操)

店舗情報

右から店主の土井彰さん、接客を担当する母の美知恵さんと妻の裕子さん

〒985-0835 宮城県多賀城市下馬1-1-7
TEL:0120-86-3622
HP:https://www.f-doi.com/
■営業時間=8:30~17:00
■定休日=月曜(月に1~2日不定休*HPでお知らせ)
■JR仙石線「下馬駅」より徒歩5分、またはJR東北線「塩釜駅」より徒歩15分
■駐車場あり
※価格は税込
※電話またはHPリンクの「宮城山形産直マルシェ」より通販可