連載・特集一覧
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【浄土宗の読む法話】み名を呼ぶ思い
私たちは、朝目覚めてから夜眠るまで、さまざまなものの名前を口にします。そこには喜怒哀楽の感情がこめられています。例えば子どもが「お母さん」と言葉にする時、甘えたい気持ちや喜び、時には怖れや怒りが含まれていることでしょう。 では私たちが「南無阿弥陀仏」と阿弥陀様のお名前をお呼びする時、どのような思いで称えているでしょうか。多くの場合、先立った方々のご供養のため -
心ゆくまで味わう 法然さまの『選択集』 第8回
浄土宗で〝第一の聖典〟と位置づけられる書物『選択本願念仏集』(『選択集』)。「極楽往生を遂げるためには、何より〝南無阿弥陀仏〟とお念仏をとなえること」とする浄土宗の教えを、宗祖法然上人(1133ー1212)が微に入り細に入り説き示された「念仏指南の書」ともいえるものです。大正大学教授・林田康順先生に解説していただきます。 第2章善導和尚正雑二行を立てて、しか -
【お坊さんエッセイ】モノクロームの睡蓮
ゴールデンウィークが開けるとお寺の池に睡蓮が開花しました。 水面に日の光を透かすようなピンクの花弁を慎ましく広げ、その中心部はイエローが鮮やかです。開花前夜は雷鳴が轟き、強い雨が降りましたが、それに驚いて花が開いたのかもしれません。 朝、日課となっている境内の見回りの中でその一輪を発見し、池にプカリと浮かぶ可憐な姿を逃すまいと、スマートフォンを取り出して、写 -
連載 仏教と動物 第18回 蛙にまつわるお話
お釈迦さまの前世における物語『ジャータカ』をはじめ多くの仏教典籍(仏典)には、牛や象などの動物から、鳥や昆虫、さらには空想上のものまで、さまざまな生き物のエピソードが記されています。この連載では『仏教と動物』と題して仏教における動物観や動物に託された教えについて紹介いたします。第18回目は、身近で親しみのある動物「蛙」を取りあげます。 古今東西の物語で語られ -
浄土宗開宗850年記念連載 法然上人の生き方に学ぶ
第1回 「死」の考え方を学ぶ ——法然上人の生きた時代 浄土宗を開かれた法然上人の一生は平坦なものではありませんでした。多くの苦難に直面されながらもお念仏の教えに出会われ、ともに歩まれた中から学ぶことができる〈知恵〉について、京都文教大学教授の平岡聡先生にお話しいただきます。 なくならない「死」という問題 人間の思考は、生まれた時代や地域に大きく左右されます -
心ゆくまで味わう 法然さまの『選択集』 第7回
浄土宗で〝第一の聖典〟と位置づけられる書物『選択本願念仏集』(『選択集』)。「極楽往生を遂げるためには、何より〝南無阿弥陀仏〟とお念仏をとなえること」とする浄土宗の教えを、宗祖法然上人(1133ー1212)が微に入り細に入り説き示された「念仏指南の書」ともいえるものです。大正大学教授・林田康順先生に解説していただきます。 第1章道綽禅師聖道浄土の二門を立てて