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浄土宗ニュース:2018年11月

紅葉に染まる境内

台風乗り越え 絶景庭園  知恩院・金戒光明寺

 今夏の台風で被害を受けた京都。市内の総・大本山にもその爪痕あとを残したが、関係者の懸命な復旧作業により今年も秋の夜間ライトアップ実施に漕ぎつくことができた。
 総本山知恩院(伊藤唯眞門跡=京都市東山区)では境内のイチョウなどが色づくのに合わせ「秋のライトアップ2018」と銘打ち、11月2日(金)から12月2日(日)の期間で夜間拝観を実施。布の染色技法の一つ友禅の祖・宮崎友禅斎を祀る友禅苑(写真)では補陀落ふだらく池に沿って植わるかえでが鮮やかに紅葉し、池中央に建つ聖観音しょうかんのん像と共に水面に映る美しさには息をのむ。期間中は、2年ぶりに国宝の三門に上ることが出来る。全高24メートルある三門、その回廊から眺める秋色に染まった京の町は必見。
 例年11月中旬ごろから境内の楓などが色づき始める大本山金戒光明寺(髙橋弘次法主=京都市左京区)では11月9日(金)から12月2日(日)に夜間拝観を行う。境内にある紫雲しうん庭園の木々が鮮やかに染まり参詣者を迎える。法然上人の生涯になぞらえて設計された庭園内は散策可。日が落ちると暗闇の中に鮮やかに染まった木々と大方丈が浮かびあがり、その様はまさに幽玄だ。

■総本山知恩院=ライトアップ17時30分~21時30分(21時受付終了)
◉問い合わせ=おてつぎ運動本部:075(541)5142
◉拝観料=大人800円・子ども400円

■大本山金戒光明寺=夜間拝観18時~21時
◉秋の特別公開9時~16時30分
◉問い合わせ=同寺:075(771)2204
◉拝観料=大人800円・子ども400円

写真:知恩院・友禅苑のライトアップ©知恩院

ドラマ仕立てで葬儀を解説

おてら終活祭 大阪市・應典院

 大阪市天王寺区の應典院おうてんいん(秋田光彦こうげん住職)が9月25、26の両日、「おてら終活祭しゅうかつさい」と銘打ったイベントを開催、檀信徒のみならず団塊の世代の夫婦など、両日でのべ570名が参加した。
「人生の終わりのための活動」を略した「終活」。一般的には自身の葬儀や墓、財産の相続などについて生前整理を行うことを指す。超高齢化社会を背景に、各地でセミナーなども盛んだ。
「自分の死後について準備することはとても大切です。しかし、葬儀費用や財産相続など、金銭面を重視した終活だけではなく、普段の生活信条や心構えがあってこそ、本来の終活なのでは?」と主張する秋田師。終活への需要が高まる中で、お寺がしっかりと説明をしなければならないと、「伝統」と「対話」をテーマに、誰もが訪れやすいように2日間の「終活祭」と銘打った。
 会場には両日、「お坊さん終活よろず相談」コーナーが設けられ、超宗派の僧侶らが終活についての悩みや不安についての相談にのり、墓地では家族墓、生前契約の個人墓、永代供養墓についての説明ツアーなどが組まれ、参加者はそれぞれの関心や悩みを率直に僧侶に質問する姿がみられた。
 25日は「模擬葬儀 大型ワイド″ドラマ劇場・お葬式のすべて〟」と題し、亡くなって通夜にいたるまでを喪主、葬儀社、僧侶役に分けドラマ仕立てで再現。「葬儀にはいくらかかるのでしょうか?」「戒名はどうしたら?」など、喪主役の質問に対しては演技を一度止め、秋田師が丁寧に解説していく。秋田師は「お葬式」について、「資本主義、合理的生産性の社会的背景のなかで、お葬式=時間単位のサービスという考えに変わってきた」としたうえで、「いわゆるお葬式は枕経まくらぎょう、通夜、葬儀と日をまたいで行われる一連の儀式。一枚の写真に切り取ることはできません。時間の流れの中で僧侶は故人の往生のために祭祀さいしを勤め、遺族は信仰の中で見送る、そこには遺族が死を受容していくプロセスがある」と語った。
 終演後、秋田師は「終活とともに自身の信仰・死生観について考える宗活にも取り組んでほしい。今後も〝終活カフェ〟などお寺で気軽に話せる企画を用意しています」と先を見据えた。

写真:出演者が喪主(右)と葬儀社に扮し“葬儀ドラマ”を熱演

人気映画の原作!?

江戸三大幽霊・累ゆかりの品々を公開 東京・祐天寺

 映画『累―かさね―』(主演・土屋太鳳、芳根京子)が9月7日から全国(東宝系)で上映されているが、実はこの原作になったといえる物語が浄土宗寺院に伝わっている。
 東京都目黒区にある祐天ゆうてん寺(巖谷いわや勝正住職)では「かさね 累得脱曼荼羅かさねとくだつまんだらの世界」と銘打ち、江戸三大幽霊の一とされる累にゆかりのある品々を11月1日から3日(10時~16時)にかけて公開する。
 元禄3年(1690)に出版された仮名草子『死霊解脱物語聞書しりょうげだつものがたりききがき』によると、累がある女性にりついて苦しめていたところを修行中の祐天上人(1637‐1718)が念仏供養によって得脱させた逸話がもととなり、一般に広く知られるようになった(あらすじは下記関連記事参照)。
 今回展示するのは、祐天上人坐像(東京都指定有形文化財)のほか、累物語の舞台であり、累の菩提寺である法蔵寺(豊島克己住職・茨城県常総市)に伝わる「累得脱曼荼羅」をはじめ、「祐天上人並びに累・助・菊像」「累得脱御珠数」「累得脱名号」を含めた15点。さらに巖谷住職による基調講演など特別企画も(下記日程参照、いずれも入場無料、予約不要)。

写真:累得脱曼荼羅(部分) 与右衛門宅で祐天上人が累の怨霊を得脱させている様子所蔵=法蔵寺

【特別企画】
①「累得脱曼荼羅」の解説と展示品見どころ解説、法話
 11月1日・2日:11時~/14時~
 3日 :14時~のみ
 会場:本堂
② 巖谷勝正住職による基調講演「祐天上人と累説話」
 3日 :11時~
 会場:祐光殿

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関連記事

累を救った祐天上人

死霊解脱物語聞書しりょうげだつものがたりききがき』 ~あらすじ~

 その昔、下総国しもうさのくにのあるところ(今の茨城県常総市)に、すけという身体が不自由な男の子がいました。助は母親の連れ子だったため義父(与右衛門よえもん)にうとまれ、ついには母親にも嫌われ、ある年、法蔵寺の裏手を流れる絹川で殺されてしまいます。その翌年、与右衛門夫妻に女児が誕生し「るい」と名づけましたが、累は容姿が醜く、さらに助の生き写しのようであったことから村人は「助がかさねて生まれてきたのだ」と噂し「るい」ではなく「かさね」と呼ぶようになりました。
 後年、両親が亡くなり独りになった累は入り婿を迎え、2代目与右衛門としますが、2代目与右衛門は容姿の醜い累を疎ましく思うようになり、累を川へ突き落して殺してしまいます。
 その後、2代目与右衛門は何人もの後妻を迎えますが、皆、累の霊に呪い殺されてしまいました。ようやく6人目の後妻との間に娘を授かり、菊と名付けて大切に育てましたが、菊が14歳になったとき、累の怨霊がとり憑いて、2代目与右衛門のこれまでの非道を暴露し、供養を求めて菊を苦しめました。
 その時、隣村の弘経寺ぐぎょうじで修行をしていた祐天上人がこのことを耳にし、念仏の功徳によって累の霊の得脱とくだつに成功します。しかし再び菊に何者かがとり憑きます。祐天上人が「おまえは何者か」と問いただすと、助という子どもの霊であることが判明。そこから累と助の経緯が明らかになり、上人は助にも十念を授け戒名を与えて得脱させました。

写真:2代目与右衛門(右)と累(左)

話題の人気講座

てんげん ねんてんの仏教トーク  佛教大学四条センター(京都)

 佛教大学(京都市)学長で浄土宗僧侶の田中典彦てんげん師(写真右)と本紙10面「俳壇」選者を務める同大名誉教授で俳人の坪内稔典ねんてん氏(写真左)が、佛教大学四条センター(同市下京区)で行う講座「仏教的一生 てんげん・ねんてん対談のゆうべ」が人気を博している。
 二人は昭和19年生まれの同い年。「日本人の意識の根底には仏教の教えがある」との想いが合致、人生における喜怒哀楽を仏教的に捉えてみようと、平成23年度に全12回で開催した。これが好評だったことをうけ、新たに今年度から月1回開講している(7月は休講)。「仏教」をテーマとしつつ、あたかも漫才をみているかのような、二人のコミカルな、ケンカにもなりかねない掛け合いが人気のもとだ。
 9月28日の第5回目では、「老い」をテーマに開かれ、生・老・病・死を中心にトークを展開。坪内氏が「老いると身体のパワーがなくなり、おのずと夢も持ちづらくなるから老人になる」と述べると、田中師は「心のパワーがあれば老人ではない」と語り、“この年齢だから”という固定概念にとらわれないことが大切、とした。
次回は11月30日(金)。受講料千円、各回定員150名。
今年度の日程・詳細は佛教大学四条センターホームページで。

写真:右が田中典彦師、左が坪内稔典氏

「お念佛からはじまる幸せ」 テーマに

浄土宗総合学術大会開催

 9月13・14の両日、京都市の佛教大学を会場に浄土宗総合学術大会が開かれた。
 浄土宗の学問進展への寄与を目的に設立された研究発表会で、年1回開催。今年は教学(浄土宗の教えに関する学問)、布教(教えの伝布)、法式ほっしき(儀礼に関する作法)各分野の研究者77名が成果を発表した。
 2024年に浄土宗が開宗850年を迎えるにあたり、基本方針となる「お念佛からはじまる幸せ―開宗の心・凡入報土ぼんにゅうほうど」を大会テーマに掲げ、初日は藤本淨彦じょうげん浄土宗総合研究所所長による「お念佛からはじまる幸せ—宗祖法然上人『立教開宗りっきょうかいしゅう』の意義」と題した基調講演が行われた。
 その中で藤本所長は、「法然上人は、煩悩に揺らぐ私たちでも、お念仏によって臨終の際には必ず往生できるという『幸せ』を得られると述べられた」とし、これは時代や情勢によって変わらないもの、と述べた。
 そのうえで、現代の僧侶は、この「幸せ」が一般的に考えられている幸せと異なっていることを理解し、現代社会に提示していく必要性を訴えた。

写真:基調講演で「幸せ」について語る藤本所長。約150人の僧侶が熱心に耳を傾けていた

法然上人の教えを形に

多彩な技法で表現 浄土宗芸術祭美術展

 浄土宗芸術家協会(光成輝道理事長)が11月6日から11日にかけ、京都市美術館別館(京都市左京区)で、第43回「浄土宗芸術祭美術展」(浄土門主もんす法主墨蹟ほっすぼくせき展、宗立宗門校学生美術展を併催)を開催する。
 浄土宗僧侶やその関係者、檀信徒の芸術家で組織される同協会が毎年開催しているもの。宗祖法然上人の念仏の教えを作品にあらわし、見る人の心と共感することを目的に、幅広いジャンルを設けて会員と一般から募った作品を出展する。
 当日は日本画、洋画、彫塑・彫刻、写真、工芸、書、色紙の部の計74点、伊藤唯眞浄土門主はじめ、各本山のご法主の墨蹟22点、大正大学や京都文教中学・高校、上宮中学・高校、東海高校、淑徳中学・高校、佛教大学浄山じょうざん道場の宗門関係学校の学生らによる洋画、写真、書など47点を展示。芸術の秋、ぜひ足を運んでみては。
【開催情報】
■11月6日(火)~11日(日)
■9時~17時(最終日は15時まで)
■入場無料
【会場】
京都市美術館 別館2F
京都市左京区岡崎最勝寺町13
TEL 075(762)4671
【問い合わせ先】 浄土宗芸術家協会
東京都港区芝公園4-7-4 浄土宗宗務庁内
TEL 03(3436)3351

写真:昨年度の様子

高岡大仏

お祭りでお身ぬぐい 富山・大仏寺

 富山県高岡市の大仏寺(北角良粋住職)で9月23日、「高岡大仏」として信仰を集める高さ16メートル(台座・光背含む)の阿弥陀如来坐像のお身ぬぐい式などを行う第50回高岡大仏まつりが開催され、多くの市民、参詣者でにぎわった。
 高岡大仏奉賛会の主催で毎年行われるもので、午前中には大仏を清める「お身ぬぐい式」が、午後には交通安全祈願と交通事故で亡くなった人の追悼法要が、同市極楽寺の内山芳広住職を導師に営まれた。
 提灯で彩られた境内で、白装束を身にまとった奉賛会会員と一般参加者たちはハシゴを使って大仏に登り、手ぬぐいで顔や身体を丁寧にふき取って清めていた。
 高岡大仏は13世紀ごろ、同市の北西にある二上山の麓に木製で造られた。後世、加賀藩初代藩主の前田利長が高岡城築城の折に現在地へ移築したが、その後2度の火災で焼失。
 現在の像は、火災の教訓を活かし、〝鋳物の町〟ともいわれる高岡での鋳造技術を駆使して昭和8年に再建された3代目。

●第119次定期宗議会

構造改革 本格始動へ

 浄土宗の法規の制定・改廃、予算・決算、重大な契約締結に関する事項などを審議する第119次定期宗議会(木村弘文議長、議員定数70)が、10月1日から5日まで京都宗務庁で開催された。
 今議会では全国を九つに分けた地域を代表する9名の議員が、当局に対し浄土宗の運営や施策、教師の養成などに関する質問を行った。また今年3月に可決された宗務庁の組織改編(構造改革)に関する議案については、現在の5局2室体制から3局1室への変更に伴う、職制に関する規定改訂や、現行業務の振り分けなど具体案について活発な意見が交わされ、15の議案は全て原案可決された。

俳壇歌壇投稿記念品

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          仏教の話をしよう。』
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