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浄土宗ニュース:2017年07月

医療界で注目 お迎え現象

伊藤唯眞猊下と奥野滋子氏(医師) 「お迎え」テーマに対談

 近年、医療界の一部で、臨終が近づいた人に仏や先立った近親者などが迎えに来るという「お迎え現象」に注目が高まっている。湘南中央病院(神奈川県藤沢市)で緩和ケア医を務める奥野滋子氏は、約2500名の患者さんを看取ってきた経験から「〝死で終わりではない〟死生観を考える上でも大切なプロセス」と訴える。

「そろそろお迎えが来たみたい」
 映画などでの臨終のシーンではしばしばこのような表現が使われる。言い伝えや民俗信仰、また、浄土教における来迎観などを日本人は複合的に受容し、自然とこの「お迎え」という感覚を持ち合わせているのだろう。
 そんな感覚的な性格が強い「お迎え」だが、科学的根拠を大前提とする医療界で「お迎え」の議論が始まっているのは興味深い。一般的に医療界では、例えば、がんなどで終末期を迎えた際には、「せん妄」という意識障害が起き「○○が迎えに来た」と患者が発言したならば、それは病気の症状として治療の対象とされている。
 しかし、平成15年から19年にかけ、仙台市でがんや難病患者の在宅緩和ケアを行っていた岡部医院の岡部健院長(故人)を中心としたチームが、実際に看取りを行った家族に「患者が、他人には見えない人の存在や風景について語ったか」、あるいは「見えている、聞こえている、感じているようだったか」といった「お迎え現象」に対するアンケートを行った結果、じつに42・3%が「そういうことがあった」と回答したという。この結果は話題を集め、メディアにも多く取り上げられた。
 奥野氏はこれらの研究結果に加え、実際に緩和ケア医として日々患者さんの看取りをするなかで、「『お迎え現象』はある意味、死の恐怖に立ち向かう上でなんらかの助けになるのではないか、そして残された家族にとっても悲しみや寂しさをやわらげてくれることにつながる」と、さらにその重要性を説く。
 奥野氏と浄土門主・伊藤唯眞猊下に「お迎え」をテーマに対談していただき、今号から2回にわたり掲載。医療者と宗教者、対話で見えた「お迎え」がもたらすものとは――。

奥野氏と浄土門主・伊藤唯眞猊下に「お迎え」をテーマに対談

特集記事、本紙7月号に掲載 


22万人の遺骨を供養

骨佛の開眼法要 一心寺(大阪)

 遺骨で阿弥陀如来を造立する「骨佛」を130年にわたり造り続けている大阪市天王寺区の一心寺(高口恭典住職)が5月31日、14体目の開眼法要を営んだ。
 一心寺は文治元年(1185)法然上人を開創と仰ぐ。江戸時代、〝天下の台所〟とうたわれた大阪には、地方から多くの人々が移住。同寺では宗派・菩提寺を問わず、広く門戸を開き納骨を受け入れ、供養を行うようになった。
 納骨者の数は年々増え続け、明治期に入ると納骨堂は遺骨でいっぱいになり、当時の住職・真諄上人はそれを丁寧に祀る方法を模索。有縁無縁の人々にも永く手を合わせていただきたい、との想いから考案したのが「骨佛」だった。
 制作には仏師・今村九兵衛があたり、粉状にした遺骨を特殊な技法で練り上げて造立、明治20年(1887)に一体目の開眼がなされた。この技術は同家に代々継承され、今回の錬造には11代当主の今村源氏があたった。
 骨佛の造立は10年に一度行われ、戦前に制作された6体は空襲により消失したが、戦後造立の8体は納骨堂に鎮座している。
 今回開眼された像は平成19年から28年にかけて納められた約22万人の遺骨で造られた。この数は過去最多で、納められる遺骨は現在も増え続けているという。
 開眼法要は、同寺の本堂前に祀られた骨佛の前で修され、その後、本堂で高口住職により、本尊に骨佛の開眼が奉告された。法要後に高口住職は、15体目の造立を見据え「世相の変化などを考え、お骨佛を永く世に残すことを模索し、実行に移していく10年にしたい」と語った。
 法要当日も、親族の遺骨で造られた骨佛の参拝のため、同寺の納骨堂の前には絶えることなく人が訪れ、静かに手を合わせていた。
参拝を終えた一人の女性が「ずっと手を合わせてもらえるからええな」とつぶやいていたのが印象的だった。「骨佛」に込められた「亡くなった方を永く供養したい」との想いは現代も息づいていることが、女性のことばに表れているようにみえた。
 同像は、「境内出開帳」と称して6月いっぱい境内地に祀られたのち、7月以降は納骨堂に安置される。

左:同寺の本堂前に祀られた骨佛の前

右:一心寺の納骨堂。盆や彼岸の時期には境内が埋まるほどの参拝者が訪れる


日蘭の国交築いた先人偲び

オランダ人埋葬者慰霊祭 悟眞寺(長崎)

 オランダ人や中国人などが葬られる「稲佐悟眞寺国際基地」のある長崎市曙町の悟眞寺(木津章史住職)で5月13日、「オランダ人墓地埋葬者慰霊祭」が営まれた。
 同寺は慶長3年(1598)、西洋との貿易の窓口でキリスト教勢力の強かった長崎で浄土宗を布教しようと、厳しい弾圧のなか久留米善導寺(現大本山)の僧・玄故上人が開いた寺。
 後に江戸幕府により鎖国政策が敷かれると、西洋人の居住は長崎の出島に制限され、死者の埋葬もキリスト教徒は水葬しか認められなかった。その状況を憂いた歴代オランダ商館長が、幕府に陸上への埋葬許可を訴え続け、承応3年(1654)に許しが出された。その際、出島に近く、中国人墓地のあった同寺が選ばれ、第三世住職・傅随上人もそれを受け入れたことから、オランダ人墓所が設けられた。その後も同寺では明治のころまで、長崎で客死した外国人を埋葬、現在もその供養をしている。
 オランダ大使館では、同墓所に埋葬されている日蘭交流の基礎を築いた先人を弔うとともに、その関係を現在に伝える墓所の認知を高めようと、平成27年から毎年、長崎日蘭協会と共催で慰霊祭を営んでいる。3回目の今年はオランダ人32名を含む約50名が参列。
ケース・ルールス駐日オランダ臨時代理大使は法要前、「悟眞寺の阿弥陀仏は350年にわたりオランダ人だけでなく各国の人の魂を見守ってくださいました。その魂にも敬いと祈りを捧げたい」と参列者に語った。

左:慰霊祭では法要が営まれ、木津住職が墓地に眠るオランダ人を供養した

右:オランダ人墓地を見学する参加者

(写真提供=オランダ大使館)


熊本地震

震災ストレス 僧侶に吐露
 テラネットが仮設団地で「移動居酒屋」

 九州地方の浄土宗僧侶有志で組織する国際ボランティア団体「テラネット」(堀眞哲代表)が5月30日夜、熊本地震を受けて同県御船町滝尾に整備された玉虫仮設団地(16戸)で〝移動居酒屋〟を開いた。
 移動居酒屋は仮設住宅の住民同士の親睦を目的に酒やおつまみを無料で振る舞うもの。東日本大震災の仮設住宅でも開催し、住民のみならず、仮設住宅に隣接する住民との親睦にもなると、好評を得た。
 当日は同団地の住民や近隣住民ら約40名、僧侶6名が参加し、生ビールで乾杯。初めて話すという人もいたが、〝差しつ差されつ〟の中で、これまでの苦労を住民同士で語り合い、今後についての不安などを僧侶に吐露する姿もあった。
 仮設団地は町内21カ所に設置されているが、玉虫団地のような小規模団地には民間の支援が届きにくく、こうしたイベントが開かれたのは初という。
 堀代表は「住民の方々とは再訪を約束しましたし、同じような境遇の仮設団地でも開催していきたい」と今後について語った。

団地の敷地中央に設けられた移動居酒屋。小規模な仮設住宅には集会場も少なく、集まりにくさもある


カンボジア王女殿下が誕生寺(岡山)参詣

浄土宗の平和思想に感銘

 仏教国であるカンボジアのアルンラズメイ王女殿下が4月9日、法然上人ご降誕の地に建つ岡山県久米南町・浄土宗特別寺院誕生寺(漆間徳然住職)を参詣した。
 アルンラズメイ王女殿下は3日から公務で来日。王女殿下は法然上人の父・時国公の「恨みを恨みで返してはならない」という、仏教的平和思想に感銘されて、今回の参詣にいたった。
 当日は寺院関係者、檀信徒ら約60名がカンボジア国旗を手に王女殿下を出迎え、本堂で漆間住職の読経のなか手を合わせ焼香、阿弥陀堂に祀られる仏舎利などを参拝された。

挨拶を交わすアルンラズメイ王女殿下(中央)と漆間住職(右)

蓮の花 静寂な空間で観賞

大本山光明寺で観蓮会


 神奈川県鎌倉市の大本山光明寺(柴田哲彦法主)が、境内に咲く蓮の花の見ごろに合わせ、 7月22、23の両日に観蓮会を開催する。蓮は仏教において智慧や慈悲の象徴とされ、浄土宗では極楽浄土に往生した人は、蓮の台に生まれると説かれるなど、特にゆかりが深い。境内の記主庭園は、二千年前からあるといわれる古代蓮で埋め尽くされ、極楽浄土を彷彿とさせる空間で、蓮の花を愛でることができる。
 両日10時から15時は大聖閣が開かれ、蓮が咲き誇る記主庭園を眼前に抹茶を味わいながら静寂なひとときを過ごせる(有料)。
大聖閣に鎮座する阿弥陀三尊像や庭園の拝観も可。22日は朗読と引声念仏、演奏会も。
住所=神奈川県鎌倉市材木座6―17―19。
【アクセス】
JR鎌倉駅下車、バス7番乗り場から小坪経由逗子駅行き10分。
光明寺前バス停下車徒歩1分。

(写真=大本山光明寺提供)

来迎 往生 リアリズムの世界

特別展 源信 地獄・極楽への扉 7月15日から

 日本における浄土教の基礎を確立した天台宗の僧・恵心僧都源信(942-1017)が昨年、1千年忌を迎えたのを記念し、7月15日から9月3日まで奈良国立博物館(奈良市登大路町)で特別展が開かれる。
 源信の主著『往生要集』は、冒頭で凄惨な地獄の様相、その後、対照的に極楽浄土の様相が示され、人々が救われるには念仏が最も重要であることを説き、法然上人の浄土宗開宗に多大な影響を与えたとされる。
 地獄をはじめとする、あらゆる生命が生死を繰り返す六つの迷いの世界の様相を全15幅で描いた国宝「六道絵」(聖衆来迎寺蔵、写真左=「阿鼻地獄」部分、7/15~8/6展示)や、阿弥陀仏や菩薩が山麓を滑り降りるように往生人を迎えに来る情景を描いた国宝「阿弥陀聖衆来迎図(早来迎)」(総本山知恩院蔵、写真右=部分、7/15~7/30展示)をはじめ、源信の思想に依拠して描かれた絵画など約140点を展示。源信の足跡をたどるとともに、後世の浄土信仰の美術作品に多大な影響を与えた側面を紹介する。
 9時30分から18時(入館は17時30分まで)。一般1500円。高校・大学生900円。小・中学生500円。月曜、7月18日休館。問い合わせは同館=050(5542)8600。

ご先祖さまに感謝の気持ちを おぼん

8月13日~15日(一部の地域では7月13日~15日)

 お盆は、『盂蘭盆経』に説かれている、お釈迦さまの弟子・目連尊者の話に由来します。
 目連尊者が神通力(すべてを見通せる力)で亡き母親を探していたところ、餓鬼道に堕ちて苦しみ悶えている母親の姿が見えました。驚いた目連尊者はお釈迦さまに救う方法を尋ねると、「夏の修行(夏安居)の終わる7月15日に、修行を終えた僧侶たちに食べ物や飲み物を差し上げて供養すれば、その功徳によって母親は救われるであろう」と答えられました。目連尊者がその教え通りにすると、母親は餓鬼道から救われた、というものです。
 このお経が日本に伝わると、古来行われていた先祖供養の信仰・儀礼と融合し、“お盆”という行事として全国に広まったのです。
 一般的に、ご先祖さまをお迎えするための「精霊棚」を準備しますが、部屋が狭いなど住宅の事情で難しい方は、お仏壇に花や故人の好きだった果物などをできる範囲でお供えください。寺によっては住職が、お仏壇や精霊棚の前で読経・回向してくださいます。その場合にはともにお念仏をおとなえしましょう。
 故郷に帰省して、お盆を迎える方も多いと思います。ぜひ家族そろってご供養し、ご先祖さまからの命のつながりに感謝する機会にしましょう。

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          仏教の話をしよう。』
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