浄土宗新聞

各教区から檀信徒へ 各地で法灯リレー法要

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浄土宗開宗850年慶讃事業の一つとして、法然上人の教えの尊さをあらためて檀信徒に伝えることを目的に、5月8日、総本山知恩院での開白法要で始まった「法灯リレー」。今号では、開白法要において各教区・海外開教区へ分灯された法灯が、各地の僧侶から檀信徒へ、お念仏の教え“法灯”のバトンを手渡す「法灯リレー法要」の一部をご紹介します。

日本中にひろがることを願い 6/16 東京教区

東京教区の法灯リレー法要の様子。10名の組長の前に置かれた吊灯籠の中には、教区長から分灯された法灯が納められている

  東京教区(髙橋誠実教区長)が6月16日、大本山増上寺(東京都港区)講堂で、髙橋教区長を導師に、教区内10組の組長らが出仕し、「開宗850年慶讃法灯リレー法要」を営んだ。
 同教区に届けられた法灯は、僧俗一体のお念仏の声が響き渡る中、10個の吊灯籠へと納められ、髙橋教区長から各組長へと分灯された。
 会場には僧侶や檀信徒、約300名が参列。法灯が分灯される様子を見守りながら、ともどもにお念仏をとなえていた。
 法要後、髙橋教区長は参列者に対し、850年にわたり受け継がれてきた法灯の重みに触れながら、「今回の法灯リレーを機に、今以上に日本中にお念仏の教えがひろがることを願います」と思いを語った。
 参列者には記念品として、同教区オリジナルの本尊印が押された開宗850年記念の切り絵御朱印などが進呈された。

百万遍念仏 響き渡る中で 6/9 大阪教区

大阪教区では厳かな法要が営なまれた

 大阪教区(山北光彦教区長)では、6月9日に大阪国際交流センター(大阪市天王寺区)を会場に第38回仏教文化大講演会を開催、「浄土宗開宗850年慶讃おまちうけ法要」と「法灯リレー法要」を併修した。この講演会は、総本山知恩院おてつぎ運動推進大会として、同教区教化団が主催したもの。会場には約600名の僧侶や檀信徒が集まり盛会となった。
 法要は大本山百萬遍知恩寺法主・福原隆台下のご親修にて営まれ、脇導師を山北教区長、葭間弘淳教化団長が務めた。
 同教区に届けられた法灯は、百山式衆会の双盤を用いた百万遍念仏が修される中で、山北教区長、葭間教化団長によって、同教区内の組長14名へと分灯された。

次世代に伝えていく 5/20 ハワイ開教区

ハワイ開教区では、海を越えリレーされた法灯が石川総監(写真右)から各島の代表者に分灯された

 ハワイ開教区(石川広宣開教総監)が5月20日、ハワイ浄土宗別院(ハワイ州ホノルル市)で「法灯リレー法要」を営んだ。法要は石川総監が導師を務め、ハワイ主要4島(オアフ、ハワイ、マウイ、カウアイ)より開教使らが出仕した。
 当日は、5月9日に行われた比叡山青龍寺から総本山知恩院までの念仏行脚と知恩院での開白法要の様子の映像を流し、開教区の檀信徒に法灯の意義が示されたのちに、法灯リレー法要が開筵された。
 同開教区に届けられた法灯は、ハワイ浄土宗別院の本尊前に奉納後、各島の代表者に分灯された。
 法要後、石川総監は、法然上人の浄土宗開宗のみ心について触れ、「850年前に法然上人が出会われたお念仏のみ教えを受け継ぎ、次の世代やコミュニティに伝えていくことが重要」と、法要に立ち会った檀信徒に向けて語った。

 今号では、各地で行われた「法灯リレー法要」の一部をご紹介しました。法然上人のみ教えが各地にひろまっていったように、今後は、法灯を受け取った組長や代表者から各寺院、そして各寺院から皆さまへお念仏のみ教えが伝えられていく予定です。
 法灯リレー法要に参加の際や菩提寺での法要の際に、法灯が伝わった証として「令和版結縁交名」が配布されることがあります。これはお念仏(南無阿弥陀仏)をなぞり書いて、ご署名いただくもので、法然上人の弟子・源智上人が、師への報恩のために全国で署名を集めてご縁を結び、阿弥陀仏立像を建立したことにならったもの。「結縁交名」は、開宗850年にあたる来年に再び知恩院で営まれる結願法要で奉納されます。
 「結縁交名」を受け取られた際には、850年前の法然上人から受け継がれてきたお念仏のみ教え“法灯”に想いを寄せ、「南無阿弥陀仏」をしたためてください。