浄土宗新聞

浄土宗開宗850年慶讃法要 総本山、大本山お待ち受け法要 厳修 念仏結縁の気運 より高く 総本山知恩院御影堂 10月2~9日

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9日の法要で宣疏を読み上げる伊藤門跡(中央)。期間中、宮殿に祀られる法然上人御影の御前には、源智上人造立阿弥陀如来立像が奉安された

 浄土宗(伊藤唯眞浄土門主・総本山知恩院門跡)は、10月2から9日まで、総本山知恩院(京都市東山区)の御影堂で、浄土宗開宗850年慶讃法要「総本山、大本山お待ち受け法要」を営みました。
 これは、令和6年(2024)春、法然上人が浄土宗を開かれて850年を迎えるにあたり、その前年である本年、ご正当への気運を高めるため、法然上人が布教の拠点とされ、入滅された地に建つ知恩院で、僧侶のみならず檀信徒や一般の方々とも開宗をよろこび、上人への報恩の想いを伝える法要です。
 御影堂には、法然上人の一周忌に併せて上人の高弟・源智上人が造立した「源智上人造立阿弥陀如来立像」(国重文・浄土宗所蔵)を奉安し、総本山と7カ寺の大本山が各日、その住職であるご門跡やご法主を導師に、特色のある法要を営みました。
 締めくくりとなる9日は、伊藤門跡が導師を務められ、法要中、伊藤門跡は、宣疏(法要の意義を述べる文)を読み上げ、法然上人の遺徳を讃えるとともに、上人のみ心とお念仏のみ教えを後の世代にも受け継いでいくことを誓われました。
 法要後、川中光敎宗務総長は「来年の浄土宗開宗850年に向けて、一人でも多くの方にお念仏のみ教えを広め、″お念佛からはじまる幸せ〟に満たされる世の中になっていくことを願う」と挨拶しました。
 期間中、知恩院には延べ三千名が参列。各日、御影堂は堂内を埋め尽した参列者によるお念仏が響き渡り、来る慶讃年への気運がより高まりました。
 今回、御影堂に奉安された阿弥陀如来像内には、「念仏結縁が真の報謝である」と源智上人が記した「造立願文」と、同像を造るにあたって、お念仏と結縁した約四万六千名にのぼる結縁者名(結縁交名)が納められていました。源智上人は、お念仏をとなえることで阿弥陀さまに救われるとお示しになった法然上人のご恩に報いるため、多くの人々に念仏結縁を勧められたのでした。
 来年も、本山の慶讃法要をはじめ、さまざまな関連行事が営まれます。是非、850年もの間、脈々と受け継がれてきたお念仏と深いご縁を結んでまいりしょう。

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