浄土宗新聞

総本山、大本山 開宗850年慶讃法要・御忌大会 響き渡る 報恩の念仏

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法然上人が浄土宗を開かれて850年を迎える本年。例年、4月に営まれる「御忌大会」と同時期に、総本山知恩院をはじめとする各本山では、「浄土宗開宗850年慶讃法要」が営まれ、全国から檀信徒のみならず多くの参列者が集い、50年に一度の慶事に相応しい盛儀となった。

14日に知恩院で営まれた一宗法要の様子。法要で導師を勤めた川中光敎宗務総長は表白(法要の趣旨)を読み上げ、浄土宗開宗850年を讃じるとともに、法然上人へ報恩の想いを伝えた
14日に知恩院で営まれた一宗法要の様子。法要で導師を勤めた川中光敎宗務総長は表白(法要の趣旨)を読み上げ、浄土宗開宗850年を讃じるとともに、法然上人へ報恩の想いを伝えた

この中、知恩院(伊藤唯眞門跡=京都市)では7日から14日まで慶讃法要が営まれた。7日には、貴田善澄執事長を導師に、法然上人が修行時代を過ごし、浄土宗を開くきっかけとなった善導大師の書物の一文と出会われた、比叡山青龍寺(京都市=天台宗)で、期間中最初の法要を厳修。9日から14日にかけ連日営まれた日中法要と逮夜法要は、全国から集った僧侶らが、各地区ごとに法要を勤めた。

また増上寺(小澤憲珠台下=東京都)では、3日に小澤台下、大本山光明寺柴田哲彦台下、大本山善光寺大本願副住職川名観惠上人を導師として「浄土宗開宗850年慶讃三導師法要」を営み、3日から7日まで慶讃法要や御忌大会日中法要が執り行われた。各法要の前には、導師が僧侶や関係者らを伴って、同寺大門(総門)前の寺院から大殿(本堂)まで列をなす「練行列」が行われた。

大本山金戒光明寺(藤本淨彦台下=京都市)では、10日から14日まで、慶讃法要と御忌大会、金戒光明寺開創850年、信空上人(法然上人の高弟)800年遠忌が営まれた。特に12日の日中法要では、法然上人が著した書物で、浄土宗で第一の聖典と位置付けられる書物『選択本願念仏集(選択集)』で、その草稿本とされる廬山寺(天台圓淨宗大本山=京都市)所蔵の『選択集〈国重文・廬山寺本(写し)〉』が内覧された。

12日、金戒光明寺日中法要で内覧された「選択集(廬山寺本)」
12日、金戒光明寺日中法要で内覧された「選択集(廬山寺本)」

いずれの法要も、全国各地から集った参列者で堂内は満堂になり、境内の桜花が咲き誇る中、法然上人への報恩のお念仏が響き渡っていたのが印象的だった。

※各本山の開宗850年慶讃法要については、次月で詳細を取り上げます。