浄土宗新聞

400年ぶり 念持仏と再会 増上寺 寄進された徳川家康像を開眼

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4月2日、大本山増上寺(小澤憲珠台下=東京都港区)が、このほど奉安された「徳川家康公像」の開眼式を勤めた。
この像は、同寺に信仰の篤い伊藤明氏から、「浄土宗開宗850年の慶讃記念に、同寺を菩提寺として手厚く保護した徳川家康の像を寄進したい」との申し出を受けて造立されたもの。正当にあたる本年の慶讃法要、御忌大会にあわせて納められた。

徳川家康像は法要後、松本氏らによって安国殿に安置された。同殿の受付時間中は常時拝観することができる
徳川家康像は法要後、松本氏らによって安国殿に安置された。同殿の受付時間中は常時拝観することができる


制作したのは、伊藤氏と親交があり、高野山金剛峯寺の「増長天」「広目天」などの造立にも携わった松本明慶氏と明観氏、宗観氏の親子3代をはじめとした松本明慶工房で、徳川宗家19代当主・德川家広氏も監修を行った。
関係者らが参列した開眼式では、小澤法主の開眼作法にあわせて像を覆う白い覆いが外され、完成した像がお披露目された。
法要後のご垂示で小澤台下は、この像が、家康公が念持仏として常に戦場に携えていった阿弥陀如来立像(黒本尊)と共に同寺安国殿に祀られることについて触れ、「黒本尊も『待っていたよ』といって、よろこばれているのではないか」と述べた。