浄土宗新聞

現世に表す経典の様相 各地で二十五菩薩練供養

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4月から5月にかけ、當麻寺(奈良=浄土宗と高野山真言宗で護持)、特別寺院誕寺(岡山) 、浄眞寺(東京) などで「二十五菩薩練供養(にじゅうごぼさつねりくよう) 」が営まれ、多くの参列者でにぎわった。


この法会は念仏をとなえた人の臨終の際、阿弥陀仏と25の菩薩が迎えに来る(来迎) という経典の内容に由来し、その導きの様子を再現するもの。極楽浄土と私たちの生きる現世に見立てた二つのお堂の間を菩薩に扮した人々が練り歩く。往路は来迎、復路は臨終を迎えた人が浄土へと救いとられる様子を表している。

このなか4月14日に勤められた當麻寺の練供養は、同寺本尊、「當麻曼陀羅(たいままんだら) 」を一夜で織り上げたとされる中将姫(ちゅうじょうひめ)の往生を表したもので、3月に重要無形民俗文化財に指定されてからはじめての開催となった。

また法然上人生誕の地に建つ誕生寺では4月21日、上人の御両親を供養する法要「法然上人御両親御追恩会」のなかで、御二人が極楽浄土へと往生する様子を再現する練供養が営まれ、参列者らは本堂回廊を練り歩いた。

5月5日に営まれた淨眞寺の練供養は、「おめんかぶり」の名で親しまれ、江戸時代より奉修されている。3年に一度行われていた(令和6年からは4年ごとの開催) が、コロナ禍の影響もあり7年ぶりの勤修となった。 好天にも恵まれ、参拝者は荘厳な練供養の様子に見入っていた(写真)。