浄土宗新聞

仏教伝道文化賞 沼田奨励賞に 吉水岳彦師 社会事業・被災地支援への尽力を評価

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仏教精神と仏教文化、その学術振興を促進することを目的とする(公財)仏教伝道協会が、10月17日、第58回仏教伝道文化賞贈呈式を仏教伝道センタービル(東京都港区)で開催、浄土宗から吉水岳彦師(東京都台東区・光照院住職)が「仏教伝道文化賞 沼田奨励賞」を受賞した。

木村仏教伝道協会会長(写真左)より奨励賞を授与される吉水師(写真右)
木村仏教伝道協会会長(写真左)より奨励賞を授与される吉水師(写真右)

仏教伝道文化賞は、国内外を問わず、仏教関連の研究や論文、美術や音楽、仏教精神を基に活動する実践者など、幅広い分野で仏教精神と仏教文化の振興、発展に貢献された人物や団体を表彰するもので、昭和42年に制定された。平成24年度より、「沼田奨励賞」が新設され、今後の仏教伝道を通じた文化活動の振興が、大いに期待できる方または団体に贈呈し、例年、受賞者を選定し、顕彰している。なお、今年度の仏教伝道文化賞にはポール・グローナー氏(バージニア大学名誉教授)が選出された。
吉水師はこれまで、ホームレス状態にある人や、身寄りのない人などの生活困窮者に寄り添う社会慈業委員会「ひとさじの会」を発足、炊き出しや夜回り支援、東日本大震災をはじめとする被災地支援、病院におけるスピリチュアルケアワーカーとしての活動などその活躍は多岐にわたり、その多大な功績が評価され、今回の受賞となった。

当日は、受賞した両名の関係者約80名が出席。仏教伝道協会・木村清孝会長より賞が贈呈された。

受賞式の挨拶において吉水師は、「私一人では何もできない身でありますが、これまで活動できたことは、多くの方とのご縁のおかげだと思っております」と謝辞を述べつつ、江戸・明治期の浄土宗の高僧である福田行誡師の言葉を引用し「行誡上人は、『お釈迦さまのように物事の良し悪しは分からなくとも、そのまね事でもいいから続けることが大切』と述べられました。これからも精一杯尽くしていけるよう精進していきたい」と語った。

吉水師は昭和53年生まれの45歳。平成13年大正大学人間学部仏教学科を卒業。平成21年同大学大学院博士号(仏教学)取得。現在、光照院住職、社会慈業委員会ひとさじの会事務局長、臨床仏教研究所上席研究員、大正大学非常勤講師、淑徳大学兼任講師などを勤める。