浄土宗新聞

元患者らが体験を語る  正しい情報でコロナ対策を 京都大頂寺

土方住職(左)と星野市議(右)

土方住職(左)と星野市議(右)

京都府宮津市の大頂寺(土方了哉住職)では4月18日、新型コロナウイルス感染症に罹患した人が体験を語る「コロナ対策座談会」を開催した。
土方住職は檀信徒らと話をするなかで、多くの人が新型コロナウイルスに感染した際の対応方法がわからずに漠然とした不安を抱えていると感じたことから、公共性のある寺院が地域の人々の知りたい情報を提供できればと、座談会を企画。昨年12月に感染が発覚し、自ら公表した宮津市議会議員の星野和彦氏(55)と60代男性の元患者2名が登壇し、当時の症状や治療の様子を語った。
感染直後から隔離施設での療養を経験した星野氏は、感染経路や闘病生活について説明。「血たんが出たときはどうなるかと思った」と、当時の状況を振り返るとともに、「感染も怖いが、世間からの誹謗中傷が最も怖い」と話し、うわさに惑わされず、感染対策をしてほしいと訴えかけた。また、60代男性も一時は集中治療室で人工呼吸器をつけるほど重症化した体験を語った。
参加者からは「体験したからこそわかる怖さや対応方法を聞けてよかった」との声が聞かれた。
土方住職は「感染対策に役立てると同時に、感染された方に対する偏見は決して持つべきではないと理解してもらえれば」と話した。