浄土宗新聞

フードパントリーと共用冷蔵庫設置 生活苦続く留学生支援 山口・勝榮寺

常に多くの食品や飲料水が準備されている

常に多くの食品や飲料水が準備されている

なかなか見えてこない新型コロナウイルス感染症収束の先行き。アルバイトなどに頼ってきた外国人留学生は収入が激減、母国に帰ることも難しく、窮状が続いている。そのような中、山口県周南市にある勝榮寺の原田宗隆住職は、今年7月からフードパントリーと共用冷蔵庫をJR徳山駅近くの施設に設置し、留学生が安心して生活できるように支援している。
きっかけは、同寺が3年前から月に1回開催している子ども食堂。コロナ禍で対面での食事が難しいため、弁当や食品を配布するようになり、「日時を決めた配布だけでなく、必要な時にいつでも食品が取りに行ける場所があれば」と考えた原田住職は、誰でも利用できる常設フードパントリーと冷蔵庫の設置を決めた。
学校か自宅にいることが多い留学生に、新たな居場所をつくり、コミュニティを広げてほしいという思いから、寺院ではなく、駅近くで利便性がよく、留学生の就労支援なども行うカルチャースクールに設置した。徳山大学に通う留学生が多く利用しているという。
原田住職は「食品を取っていくだけでなく、居場所としても活用してもらうことで、地域コミュニティへ参画するきっかけになれば」と、物資だけでなく、心の支援にも努めている。